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SR600 KW Reverse (紀伊山地と世界遺産リバース)

  • Posted by: rp-taki
  • 2019年12月4日 00:19
  • Road

直前に公開されたSR600KR。当初は来年暖かくなってから走ろうと思っていたが、月初に走ったSR600奥入瀬との寒さ比較で行ける気がしてきて、関西滞在中でのアクセスしやすいうちにと出走。

11/30 1:00スタートで、12/2 1:51フィニッシュ。48h51mで完走。

★★ まとめ ★★

■走行プラン

川湯温泉と下市口に宿をとっての二泊三日プラン。初日の宿のチェックインの都合で深夜スタート。二日目は、他にも川上村や吉野に宿を取るプランもあったのだけれど、ショートステイのコストを考えて値段の安いところを手配した。R169号ピークの新伯母峯トンネルを越えてしまえば、吉野のその先まではすんなり行けると予想。お天気的には、二日目後半から下り坂で、最終日はほぼ雨予報。

■実績

おおよそ以下のような実績。

一日目(239Km):15h07m(11/30 01:00-16:07), 休憩約6.50h
二日目(276Km):19h04m(11/30 22:37-17:41), 休憩約1.46h
三日目(088Km):06h24m(12/01 19:27-01:51)

雨の回避を目論んで、二日目の後の休憩をかなり削った。

■良かった点

コース的にはKWと同じなので、概ねそちらと同じになる。

SR600 KW(紀伊山地と世界遺産)

季節的なところでは、今回は紅葉の時期もほぼ終わってしまっていたが、タイミング良く、見事に色づいた宝泉寺の大銀杏を見ることができた。以前走って気になっていた、龍神村の「ゆず夢cafe」に今回寄れて、気になる点を解消。もし一日後なら、川湯温泉の千人風呂が楽しめたかも(12/1開湯)。

■上りで苦労したところ

・葛城山
・丹生都比売神社への上り
・玉置山

550Kmからの丹生都比売神社と葛城山のリバースの勾配がキツい。キツいながらも丹生都比売神社への上りはまだマシ。最後の最後に来る葛城山の勾配は、国内のSR600の中で一番きつい。上りの距離も考慮すると四国と同程度かと思うけど、瞬間的な最大勾配は葛城山の方が上。一応、SR600四国は足つきなしで走りきったのだが、ここは吐き気がしてきて上りきれなかった。冬装備で重かったり休憩が足りなかったり後ろ28Tだったりってのもあるとは思うが、万全の状態でもかなりキツいと思う。これから走る人は、事前に十分な休養をとってから入ることをお勧めする(後ろ34T推奨)。

玉置山はKWの時には最難関だった。春の昼間に通過したKWと違って今回は冬の夜だったこともあり、より辛く感じた。だたそれでもKRでは三番手。計画通り二日目の後にゆっくり休めていたら、丹生都比売神社と玉置山は逆転するかも。

■道路で苦労したところ

・葛城山の下り
・県道45号の未舗装区間
・169号ピーク手前の和佐山トンネルの工事片側通行

葛城山は下りも辛かった。KWで上った時は路面の悪さはそれほどきにならなかったが、下ってみると路面の悪さが際立つ。今回は落ち葉も多く、急勾配で悪路の下りは非常に神経を使った。雨に当たらないで本当に良かった。県道45号の未舗装区間は、今回は夜間の通過になったので、KWのときよりもストレスは高かった。

最後の和佐山トンネルは少し長めの上りトンネルで、今回はイベント的にちょっと面倒だったところ。ここは上りの勾配が結構あって、今回、タイミング悪く工事片側通行だった。青信号8分というの制限時間に焦らされて辛かった(ギリ間に合わなかった)。R169号のトンネル群はKWで苦労したが、殆どが川上村側にあるので、下りになるKRでは苦労はなかった。

■補給

初日に夜に入ってから翌日に那智勝浦に至るまで、中盤の補給が難しい。

序盤は高野山まではいくつかコンビニがあるし、初日の夜までは龍神温泉や中辺路辺りで食事もできるので、補給は容易。しかし、夜に入ると宿の夕食くらいしか頼りがなく、夜に再スタートする場合は補給食の補充が難しい。そしてそのまま玉置山と那智大社までの山間部を越えて那智勝浦まで行くことになってしまう。那智勝浦以降は、ところどころにコンビニがあって補給には困らない。

私は今回、初日の宿の川湯温泉に送ったドロップバッグに、賞味期限長めのパンを入れておいた。

■紀伊山地(KW)との比較

KWとKRで、KWの方を先にリリースしたのはAJ近畿の良心だと思う。

以下の点から、先にオープンしたKWよりKRの方が難易度は二枚くらい高いと思われる。
①550Kmからの丹生都比売神社と葛城山の急勾配
②初日の宿事情
③玉置山から那智大社までの夜間走行

①については、前述の通り。

②については、KWでは、朝スタートしてから距離的にちょうどよい新宮辺りにビジホがある。ビジホならチェックイン時刻の自由度が高いし、新宮〜那智勝浦の間にはコンビニも多く、前後の補給もしやすい。一方でKRで朝スタートすると、ちょうど良い距離とチェックイン時間での宿が無い。龍神温泉は距離が短すぎるし、その先、中辺路辺りは宿がない(民宿とかならあるのかも)。そしてその先の川湯温泉まで行こうとすると朝スタートではちょっと遅く、私の今回のプランのように夜スタートになってしまう。そしてまた、宿の近くにコンビニなどは無いので、翌日に向けての補給食の補充などにも難がある。

③については、初日の宿を深夜にチェックアウトしてくると、玉置山とそこからの未舗装路区間を夜間に走ることになってしまう。

一点目と二点目を考えると、川湯温泉で夜遅くにチェックインできる宿をとり(その場合夕食なしになるかもしれないが)、翌朝を待って朝食を十分にとってから二日目に入るようなプランも良いのかもしれない。

★★ 旅情編 ★★

■スタート前日


KWの時と同様にハタゴインに前泊。ただ、深夜スタートなので、前泊と言いながらも滞在は短時間。朝9時スタートだったKWの時は、チェックイン後に漫画読んだりしてダラダラ過ごしていたが、今回は準備を済ませてすぐに就寝。

■1日目 スタート/川湯温泉 (239.1Km)

宿の都合で深夜スタートで川湯温泉まで。好転に恵まれて冬でも走り易く、気持ちの良く走れた240Km。

実績日時(計画:15.0km/h)[マージン]
11/30 01:00 (01:00) [ 0:00] 000.0km PC01 ローソンりんくう南店(代替)
11/30 02:21 (02:54) [ 0:33] 028.5km PC02 休暇村 紀州加太
11/30 03:25 (04:35) [ 1:10] 053.8km PC03 マリーナシティホテル
11/30 04:07 (99:99) [ 9:99] 999.9km 休憩 ローソン紀美野町小畑店
11/30 07:01 (99:99) [ 9:99] 999.9km 休憩 ファミリーマート 高野山店
11/30 07:13 (08:11) [ 0:58] 107.9km PC04 高野山 金剛峯寺
11/30 08:40 (09:50) [ 1:10] 132.6km PC05 熊野参詣道 小辺路
11/30 10:21 (11:10) [ 0:49] 152.7km PC06 ごまさんスカイタワー
11/30 99:99 (99:99) [ 9:99] 999.9km 休憩 ゆず夢cafe
11/30 14:20 (14:33) [ 0:13] 218.4km PC07 近露王子跡
11/30 15:28 (23:08) [ 7:40] 241.1km PC08 熊野本宮大社
11/30 16:07 (17:00) [ 0:53] 239.1km 川湯温泉まつ屋
実績ペースは、239.1Kmを15.12hで、おおよそ15.71km/h

・PC01-PC02


初日宿泊の川湯温泉のチェックイン時間の都合で深夜スタート。夜間帯に市街地を抜けられるので、その辺は良いか。正規のスタート地点はコンビニ、駅ともに閉まっているので、ハタゴイン脇のローソンを代替とした。ハタゴインに荷物を預けて、スタートの15分ほど前にチェックアウト。そして、1時にスタート。


スタート直後に正規スタート地点のセブンを見てみたが、当然閉まってた。

11月も終わろうという中での深夜走行。寒さの方は、11月頭に走った奥入瀬の寒さに比べて、和歌山はそんなに寒くなかった。交通量も少なくなった道路をスイスイ進んで、すぐに和歌山。

休暇村までサクッと上ってPC到着。KWで迂回ルートだった瀞峡トンネルがKRで修正されて累積標高が増えたので、もしかして、ここ登らなくても10000m越えるのではないか?

・PC02-PC03

次はマリーナシティホテルまで。KWのときは雨が降りそうで気が逸った思い出なのだが、今回は雨については心配はないので、落ち着いて走れた。紀の川手前で、土入川沿いの遊歩道みたいな細い路地。そういやKWの時こんなとこ走ったなと思い出した。

ここは、いくつかある大きな橋が特徴的。左手に和歌山の町を見ながら思いの外高い紀の川河口大橋を渡り、行く先に背高いリゾートホテルっぽいビルの赤いライトを見ながらサンブリッジをわたってマリーナシティへ。


サンブリッジを渡って下るとすぐにPC。到着証明のホテル前の看板がKWの時と変わっているが、事前に情報が入っていたので、迷わずに撮影。

・PC03-PC04

スタートからここまでは平坦の足慣らし区間。この先、ちょっと長めに高野山まで。といっても、R480までは上りでも勾配はゆるい。のんびり走っていって、美里の町を抜けると山の中に入り、寂しい雰囲気になる。気温表示で2℃くらいを見たが、ここでも奥入瀬のときよりは寒さは感じなかった。

R480に入ると上りが本格化。それでも、きついというほどではないので、引き続きのんびり登坂。上っている途中で夜明け。車も現れ始めた。ピーク付近まで上って来ると冷えが増したので、ウインドブレーカーを羽織る。ピークを越えて入った高野町はやたらと寒かった。冷気が溜まるのかな。寒さ的には全行程で高野町が一番冷えた。ファミマに寄って食べ物を買い、脇で食べていると寒かった。すぐに出発してPC着。


人も少ない金剛峯寺前で撮影。

・PC04-PC05

冷えから逃げるように高野町を後にして、軽く上って野迫川村に入る。境のピークを越えてちょっと下り。反対に小辺路から上ってきたKWでは意外と苦労したのだけれども、KRでのプロフィールはほぼ下りで楽。KWのときは、県道から平家の里に入る分岐が工事通行止めだったのだけれど、今回はフェンスがなくなってた。もしかして、このまま県道で大きく川沿いを回れるようになってるのかな? 正規ルート通りに平家の里を越えて、すぐにPC着。


小辺路の看板前のフェンスがよれよれで、バイクを立て掛けての撮影に難儀した。

・PC05-PC06

PCから出てた直後、外国人旅行者のカップルがいた。こんなところに来るとは、かなりのマニアだ。5月の連休に走ったKWの時は、野迫川村の集落のホテル辺りに結構人がいたのだが、今回は人の姿はなく、秘境の雰囲気に満ちていた。いづれゆっくり来てみたい。野迫川村の集落を抜けて龍神スカイラインに合流。

龍神スカイラインとの合流地点からごまさんスカイタワーまでは、それほど距離も勾配も無い。KWで龍神温泉から上ってきた時と比べると、ここも比較的楽。ふと道路脇を見ると、明日の12/1に、ここから龍神村にかけて、マラソン大会があるようで、道路規制の案内があった。危なかった。


計画から1時間前倒しで最高地点のPCに到着。


ごまさんスカイタワーの駐車場ではすこし風があって、冷えた。

・PC06-PC07

ごまさんスカイタワーで初日の上りは概ね終わり。中辺路辺りでちょっと上るけど、大したことはない。この時点で計画から前倒しなので、結構余裕があった。天気の心配もないので、この先の龍神村でゆっくり昼食を取ることにした。ごまさんスカイタワーから少し走ると、後は龍神村までずっと下り。ピーク付近の道路脇の日陰には最近降ったと思われる残雪があった。


龍神村までの下りでさらにタイムを稼ぐ。

KWで泊まった季楽里を越えて、道の駅脇の「香房 ゆず夢cafe」で昼食。以前から、ここと季楽里の龍神そばは気になっていた。龍神そばはまた次回。


お店の代表メニューのカレーを注文。カレーはお腹に残るのであまりブルベ中には食べないのだけれど、せっかくなので。余裕があったのでデザートまで。

お店の人によると、私の前に自転車乗りが一人来たらしく、その人は3時にピークを越えてきたと言っていたらしい。明け方は流石に寒かったんじゃないかな。お支払いを済ませて外で出発の準備をしてたところ、お店から出てきたマスターからご質問を受けた。ロードバイクにご興味があるようで、中華バーミッツにが気になったみたい。

龍神温泉から龍神村の町中まで更にゆるく下り、そこからちょっと長めのトンネルを抜けて中辺路へ。そこから再びR371に合流するまでわずかに上りもあるけど、気になるほどではない。R371に合流してから、またしばしの平坦。多少の交通量。


走っていると、進行方向左手に、鮮やかな黄色が目を引く、大きな銀杏が見えた。見た感じ、寄っていくにはコースから少し外れて上る感じ。余裕があるので、寄り道することにした。入っていくと、狭い道路を何台も車が行き来していて、離合に難儀してた。


そして着いてみると、かなりの大きさで、貫禄ある大銀杏。色づいた大銀杏目当ての観光客が多数いた。

狭い道路を戻ってコースに復帰。調べてみたら、そのまま先に進むと旧道で近露に抜けられるっぽい。そっちも面白そう。ルートに復帰してすぐ、軽く上ってトンネルを越え、そのまま下って近露へ。


PCに着いてみると、古道歩きっぽい先客がいた。KWの時もこの辺には観光客がいたし、結構歩いている人がいるみたいだ。

・PC07-PC08

龍神村で貯金を使って、この時点で15時まえはほぼほぼ計画通り。計画では、このまま宿に行く予定だったが、先にちょい先のPCに行ってから戻ることにした。夜で寒いと撮影も面倒なので。

本宮から川湯温泉の間は平坦ですぐのイメージがあったのだが、行ってみたらちょっとの距離と上りがあって、わずかに後悔。夕暮れも近い本宮大社辺りは人もまばら。PC手前で、閑散とした本宮前にそのまま乗り入れたら案内のおじさんに注意された。辺りの歩道は自転車通行可だけど、鳥居周辺は駐車禁止で見張っているみたい。その気はないのに注意されて微妙な気分になった。


手早くPC撮影してUターン。川湯温泉へと戻る。

・PC08-宿

川湯温泉への入り口まで戻って見ると、仙人風呂の案内が出てた。もしかして開湯してる?とちょっと期待したが、12/1からだった。以前川湯温泉に泊まった時も11月で、川辺に掘った温泉に浸かったのみで仙人風呂は経験がない。これまたいずれ行ってみたい。

この日の宿の「まつ屋」の駐車場にバイクをワイヤーロックして、ホテルへ。フロントに行ったら、ホテルの人が屋内にバイクの保管スペースを作ってくれた。ありがたい。

「まつや」と隣の「みどりや」は同じ山水館グループで、こっちは別館的な扱いみたい。事前に送っていた荷物はみどりやの方で保管されてた。まつやのお値段は、川湯温泉の中ではリーズナブル。食事はみどりやの方で取るようで、温泉もこっちに加えて、みどりやのお風呂にも入れる模様。

23時には出る旨を伝えたところ、朝食代わりにおにぎりを作ってもらえることになった。川湯温泉近辺は補給に難があるので、この前の奥入瀬の時と同様にドロップバッグにパンを多めに入れておいたが、食べきれずに余ってしまった。食事の前にお風呂を頂く。みどりやの方には露天風呂があるみたいだが、休む時間を確保するためにまつやの温泉だけで済ませた。それからちょっと休んで夕食の時間を待ち、会場のみどりやへ移動。


夕食のビュッフェが結構贅沢。ビュッフェなのに鮎の塩焼きが網で焼かれていて、お魚好きの私としては大興奮。ご飯と塩焼きで無限に行けるところだが、ここは4匹までにしてビュッフェの他のメニューも一通り頂く。お風呂といい夕食といい、お値段を考えると、まつやはかなりコスパが良い。なお、近畿はブルベ中の飲酒はだめなので、ここは断酒。ま、今回は早く再スタートするので、どっちにしてもお酒を飲むつもりはなかったけど。

食事後、まつやに戻ってそのまますぐに就寝。時間があったら、みどりやの温泉にも入りたかった。

■2日目 川湯温泉/下市口 (276.0Km)

玉置山から那智勝浦まで深夜走行。最終日の距離の短縮を考えて、向かい風の中、できるだけ進んでの276Km。

実績日時(計画:13.5km/h)[マージン]
11/30 22:37 (23:00) [ 0:23] 239.1km 川湯温泉まつ屋
12/01 01:28 (01:13) [-0:15] 269.1km PC09 玉置山 大峰奥駈道 石碑
12/01 07:09 (07:11) [ 0:02] 349.7km PC10 熊野那智大社 参道入口
12/01 07:38 (99:99) [ 9:99] 999.9km 休憩 ローソン那智勝浦浜ノ宮店
12/01 08:38 (08:48) [ 0:10] 371.6km PC11 熊野速玉大社
12/01 10:09 (10:36) [ 0:27] 395.7km PC12 丸山千枚田
12/01 11:20 (12:00) [ 0:40] 414.7km PC13 七色ダム
12/01 99:99 (99:99) [ 9:99] 999.9km 休憩 ヤマザキショップ 下北山カーブの店
12/01 13:38 (99:99) [ 9:99] 999.9km 休憩 ヤマザキショップ 道の駅吉野上北山店
12/01 16:29 (18:36) [ 2:07] 503.7km PC14 吉野山・コウヤマキの群落
12/01 17:11 (99:99) [ 9:99] 999.9km 休憩 ローソン大淀町下渕店
12/01 17:41 (19:30) [ 1:49] 515.1km 松月館
実績ペースは、276.0Kmを19.07hで、おおよそ14.47km/h

・宿-PC09


起床して出発の準備を済ませ、22時に夜食に作ってもらったおにぎりをフロントで受け取って食べる。事前に送った荷物に入れておいたパンは、食べられる分は食べ、持てるだけ持って、それでも余ったものは部屋のゴミ箱の脇に袋に入れて置いてきた。


用意しておいた着払い伝票で発送をお願いして、出発。

オレンジ色の街灯に照らされた本宮の通りは、人の姿はなく静まり返っていた。PCの本宮大社は先に撮影を済ませているので、そのまま先へ。

町の境の軽い上りを越えて十津川村へ。ここで熊野川から十津川に変わるみたい。これまで十津川村には泊まったことがない。川湯温泉は以前泊まったことがあるので、今回は十津川村に滞在する案もあったが、遅れると困るので安全策をとった。ペースが良かったので、結果的には十津川村まで行けた。十津川村を抜け、国道からそれて玉置山へ。

玉置山はKWで一番苦労したところ。KRでは、KWよりもわずかに苦労した印象。アプローチ的には、那智勝浦からの峠越えしてきてからのKWに比べて、再スタート直後のKRの方が楽なはずだけれど、夜かつ冬装備のためかな。PC手前の分岐まで、KWの時は気にならなかった勾配もKRではちょっと辛さを感じた。分岐以降の急勾配はKW、KRともにピストンで当然同じ。


なにか居そうな深夜の玉置山。

・PC09-PC10

ちょっと長めに国道まで下って、KWで迂回になってた瀞峡トンネル。KRのルートラボでは修正されている。玉置山を終えたところで、瀞峡めぐりの里でひと休憩。といっても深夜で真っ暗なので自販機でコーヒーを飲む程度。この先は、県道45号の未舗装区間があるので、気を入れ直して出発。

国道から県道に入り、小口集落を抜けると山の中。ゆるい勾配を登ってしばらくすると、例の未舗装区間に突入。KWでは明るかったのでまだマシだったが、夜だとかなり神経を使う。暗くて先が見えずに、一箇所間違えて沼地に突っ込んでしまった。辛い時間は長く感じるもので、抜けるまでにだいぶ疲れた。未舗装区間を抜けて少し下って、再び阿弥陀寺まで登り返し。のんびり上っていると、明るくなってきた。季節が違うので時間のずれはあるが、同じ様な明け方の雰囲気だった。

那智高原公園の駐車場でほぼほぼピーク。KWでは那智勝浦から玉置山に入るまで細かく3回上った記憶があったのだが、KRでは2回上って終了だった。3回のぼるつもりで来てたので、得した気分。魔法か。


那智大社まで下っているうちに夜明け。


写真撮りつつ進んで、PC着。

・PC10-PC11


那智勝浦の町まで下ってローソンで休憩。久々のコンビニ。イートインがありがたく、落ち着いて休憩できた。エネルギーと気持ちを回復させて出発。次の新宮のPCまではショートで平坦。


すいすい走って程なくPC。

・PC11-PC12

次のPCは、KWでは真っ暗だった丸山千枚田。今回は明るい時間に通過するので、眺望に期待した。で、向かっていくと、北西から割ときつめの向かい風。予報では、昼間は南風のはずだったので、裏切られた気分。苦労して北上して行き、国道311に合流する手前で、進行方向に見える山の頂から、流れ落ちる妙な霧。


デスマウンテンか。

この日は昼間晴れていてあまり寒くなかったのだが、この辺だけ妙に雲がかっており、強い北風もあってく割と冷えた。丸山千枚田の手前、国道に合流して西に折れて直後のトンネル、吹き抜ける向かい風が強烈で泣きそうだった。


国道から細い路地に入って、千枚田を下から上ってPC着。千枚田周辺は妙に霧がかっていた。KWのときは千枚田は夜だったので、今回はちょっと楽しみだったのだが、眺望的には残念。というか、もう刈り取り終わっているので、晴れててもイマイチだったかな。

・PC12-PC13


千枚田から上って本線に合流。千枚田を見下ろすと、千枚田からもうもうと霧が立ち込めてた。手前で見えた山頂ら流れ落ちる霧の発生源はここかな。


ちょっと進んで丘を越えると、もう空は青空。ほんとにあのへんだけ雲がかかってたみたい。


下った後はほぼほぼ平坦で、苦もなくPC着。

・PC13-PC14

次の吉野のPCまでは、169号のゆるくて長い峠越えを含む長距離区間。

七色ダムの貯水池ではレジャーボード。すぐ先の土場バイパスの新土場トンネルが開通してて、短いながらもそっち通ったほうが近くなるな。

さらに進んで、下北山スポーツ公園のあたりは多少の賑わいを見せていた。下北山のヤマザキショップで休憩。昨日の夜に宿を出てから12時間を越え、ちょっと疲れと眠気を感じたのでカフェイン摂取。この先まだ距離があるので、ちょっと気が滅入る。下北山の温泉に泊まるのも良いかもとは思うのだが、最終日に距離を残すことになるのでちょっとその案もとりづらいかな。

ゆるい上りを登って、道の駅 吉野路上北山でまた休憩。すぐに出るのでイートインは使わずに表で。そこから少し進むと、以前通ったR309号の入り口は通行止めになってた。ちょっと前の台風の影響かな。いずれまた走ってみたいので、早期の復旧を望む。

ピーク手前で和佐又トンネル。KWでは、ピークを越えた直後の下りで気分良く抜けられるトンネルなんだけど、KRでは上り、さらに悪いことに、今回は全線で工事片側通行。赤信号にて停車して脇を見ると、信号間隔8分という表示あって、工事区間が長いであろうことが予想された。進行方向的に当然登りになるので、対向車が来るまでに抜けられるかどうか不安になった。で、青に変わってトンネルに入ってみると、結構な勾配。脇の看板に上り勾配6.5%と表示されていた。ちょっと踏み込んで登ったのだけれど間に合わず、トンネルは抜けられたけれど、抜けての信号まで間に対向車が来てしまった。路側帯があったので、そこを走ってなんとか離合。

ピークを越えて下り。KWで苦労したトンネルが、KRでは下りになるので楽。下りはかなりスピードが出て、ダム湖の平坦区間をちょっと挟んで、あっという間に川上村の道の駅。ここの温泉の杉の湯も宿泊候補なんだけど、ここまで来るともうすぐ吉野なので、どうも微妙な位置。さらに進んで、これまたかなりの速度で大滝ダムを横目に下り、最後は国道169から県道に折れ、少し走って吉野へ。

県道37号からの上りは、2018年の春にブロンプトンで上ったら苦労した。KWと比べても、下千本から一旦落ち着くKWと違ってピークまで一気に登るので、わずかに苦労したかな。それでも、それほど高さはないので、辛いというほどでない。

暗くなる前に、この日最後のPCに到着。

・PC14-宿

日も傾いて店じまい間近の金峯山寺の参道を通過。帰路につく観光客の間を縫って進む。前後につけた熊鈴のおかげで気づいてもらえる。副次的効果。せっかくなので、吉野で宿を取るという案もあったけど、ちょっとお高く、朝食を食べずに出るのがもったいないので、この先の下市口に宿を取ってる。吉野から下市口までは、ゆるく下りであっという間。いったんコースをそれて吉野川から変わった紀の川を渡り、市街地へ。宿に入る前にコンビニで食料を買い込み、宿に戻ってチェックイン。

宿の松月館は道路から奥まったところにあって、入り口への通路がかなり狭い。バイクを停めてスペースがないので入り口脇の家の壁と塀の間に入れてワイヤーロック。ちょっと不安だけど、建物自体が影になっているので、見られていたずらされる心配は薄いかな。松月館はお年寄りのご夫婦で営んでいるみたい。


旅館って書いてあるけど、雰囲気定期な民泊とか民宿に近い。お風呂も家族風呂だし。お値段がかなり安いのがブルベ中に泊まるには助かる。ご主人いわく、吉野でレースがあるときは自転車乗りで満室になるみたい。近くて安いしね。他にも宿泊客がいるようなので、まずはお風呂を頂く。

コンビニで買い込んでおいた食事を食べながら、この後のことを考える。当初の予定では、ここで十分に休んで、最後の葛城山に臨む計画だった。が、この先、日が変わった深夜から雨が降り出し、翌日はどうにも雨模様。もっとも辛いと思われる葛城山を、雨の中で登りたくない。残り距離は100Km切っているので、ちょっと疲れはあるが、すぐに出ても押し切れる見込み。そこで、1時間だけ仮眠して、すぐに出ることにした。お値段も安いので、ショートステイでもあまり損した気分にはならないし。そこで急遽、今夜二つ目の宿に、りんくうタウンの関西エアポートワシントンホテルを手配した。前泊したハタゴインでも良いんだけど、ハタゴインは駅までちょっと距離がある。明日が雨であることを考えて駅近の宿にした。

小一時間ほど寝ることにして就寝。

■3日目 下市口/フィニッシュ (88.0Km)

雨回避を目論んで計画変更。疲れが抜けないまま突っ込んで、吐きそうになりながら越えた葛城山リバース。最後の最後で最難関の90Km。

実績日時(計画:11.8km/h)[マージン]
12/01 19:27 (03:30) [ 7:03] 515.1km 松月館
12/01 19:57 (04:17) [ 7:20] 524.4km PC15 モンベル五條店
12/01 22:00 (06:51) [ 8:51] 554.8km PC16 丹生都比売神社
12/01 22:28 (99:99) [ 9:99] 999.9km 休憩 セブンイレブンかつらぎ町東渋田店
12/02 00:27 (08:57) [ 8:30] 579.5km PC17 葛城山
12/02 01:51 (11:00) [ 9:09] 603.1km Finish ローソンりんくう南店(代替)
実績ペースは、88.0Kmを6.40hで、おおよそ13.75km/h

・宿-PC15

一応寝られて起床。

荷物をまとめて、部屋を出て、チェックアウトする旨を伝えると、流石に驚かれた。出発前に荷物の発送をお願いしたところ、ご主人が慣れてないのか、伝票を用意していったのだが、どうにも手こずった。ちなみにこの後、到着予定日になっても荷物が届かず、確認の電話を入れたら送られてなかった。奥さんへの連絡ミスがあったみたい。その後で送ってもらえて届いたけど。これからここを利用する人がいたら、すこし離れたコンビニまで行って自分で発送したほうが良いかも。

再スタートしてコース復帰直後にミスコース。川を渡って川沿いに折れるところでまっすぐ行ってしまった。すぐに復帰。


ちょっと走って、PC着。

・PC15-PC16

PC出てすぐにある、KWの時に休憩した五條のファミマは通過。寝る前に食べてから短いのでお腹は空いてない。というか、逆にあまり消化できてない感あり、調子はいまいち。若干眠気もあったので、自販機でコーヒーを買って飲む。

宿から急いで出てきたので、あまりこの先のことはチェックしてなかった。すぐに上りが始まると思ってたのだが、記憶していたよりも距離が長くて焦れた。とは言え、川沿いをゆるゆる下りで、踏むと結構速度が乗る。交通量も少なく気持ちよく走れ、すいすい走ってたら途中でミスコースした。そんなこんなありながら、ようやく丹生都比売神社に向けて上り初め。

ここはKWの時に、結構な勾配の細い道を下った記憶あり。その記憶どおりに今度はキツめの上り勾配。さらに、そこそこ高さを上る。KWの時も丹生都比売神社への上りは意外と苦労したのだが、今回はそれ以上に苦労した。それでもまぁ、ゆっくり進めば登れて、最後の葛城山もこれくらいならなんとかこなせるかなと思ってた(この時は)。やっとピークを越えて、ゆるく下ってPC。


この辺りはじんわりと冷えた。初日の高野山といい霊場は寒いのか、というか、この辺は山に囲まれた窪地になってるので冷気が溜まるんだな。手早く撮影して出発。

・PC16-PC17

冷気が溜まって寒い窪地を進み、トンネルを抜けると冷えはおさまった。紀ノ川沿いまで一気に下る。上った距離から考えて、意外と下りが長い。それだけ上りの勾配があったんだろう。最後の葛城山を前にあまり下ってしまいたくないのだが、無慈悲に50mまで下り。ま、KWで走っているから知ってるのだけど。下ってすぐ、右に折れて紀の川を渡り、葛城山への上り開始。

といっても、本格的な登りが始まるのはもう少し先。紀の川から突き当りの山の麓まではゆるく登り。住宅地の細い路地に入ると上りの勾配が増す。ただ、それでもまだまだ余裕で登れるくらいで、KWの時に下ったときのイメージから程遠い。このまま終わるはずがないのはわかっているが、これくらいの状態でできるだけ登って行きたかった。その状況は、コンクリ舗装に変わった標高300mで一変する。

ついに来たKRのメインイベント。勾配がきつすぎて、腰を上げて力いっぱい踏み込まないと進まない。そして惰行する余裕もない。あまり休まずに来てたこともあり、眠気があって、お腹の調子も悪い。低い気温で水分補給もあまりしてないところで一気に汗をかき、体の水分が欠乏してしまった。そんな条件がもろもろあって、吐き気がしてきて、意識が朦朧としてきた。そして、夜の闇で辺りが暗く、平衡感覚がつかめなくなってきて、このままでは落車すると思って、いったん停止。そのままバイクに突っ伏して休憩。ボトルの水をのんで、お腹の調子の回復を図る。

しばらく休んで落ち着いたところで、押し歩き。勾配きつすぎて、とても跨っての再出発はできない。気持ち悪さを我慢しながら押して上って、突き当たってのつづら折りまで来ると、いったん勾配が収まる。まず、ここの300mから400mまでの直上りが第一関門。つづら折りを利用して、跨っての再スタート。ほんの少しそのまま乗って進めたが、再び、果物畑と思われるところで激坂。もはや頑張る気力もなく、すぐに下りて押した。この果物畑のエリアが第二関門。勾配が緩むところまで押して上った。果物畑をすぎるともう激坂はなく、程なく勾配も収まった。ようやく落ち着いて走れるようになってところで、あたりは風が強くなってきていた。


疲労困憊で最終PC。最後の山を越えて安堵。ただこの後、下りで予想外に苦労することになる。また、だいぶ風が強くなっており、雨がかなり近いことが予感された。

・PC17-Finish

後20Kmは下るだけ。雨が降り出す前にフィニッシュしたい。急ぎたいところなのだが、下りは下りで急勾配。道も悪くて辛い。また、一面が落ち葉で覆われていて、スリップが怖い。慎重に降らざるを得ず、とても神経を使って、肩がこる。そんなところで、ダメ押しに途中で分岐を見落としてミスコース。結構な急勾配の上り返しを登る羽目になって、フラストレーションがMAX。もう、押して登ってコース復帰。

早く下りが終わってくれと我慢して下っていると、ふと向かう先に車が止まっていて、Uターンして先に進んで行った。こんなところで車とはと怪訝に思ったが、こんなところを走っている自分も大概か。ようやく県道62号に合流した時は本当に救われた思いがした。

そこからフィニッシュまでは気持ち良い下り。思い切り下れる心地よさと、厳しかったここ数10Kmがやっと終わる開放感。最後の10Kmは嬉しくて仕方なかった。日根野辺りで市街地に入ると、信号もあってペースダウン。ゆっくりクルージングしてフィニッシュへ。2時近くなって、正規のPCのコンビニも駅も閉まっているので、スタートと同様にハタゴイン脇のローソンを代替とすることにした。


1:51ににフィニッシュ。48h51分。旧制度の制限時間内にフィニッシュしたのは四国以来かな。そのままハタゴインに行って預けていた荷物を回収し、ワシントンホテルに移動。


わずかに雨粒が落ちてきていたが、ホテルに行く前に正規のフィニッシュ地点のコンビニをチェック。当然、閉まってた。

ワシントンホテルの前でバイクを拭いてからチェックイン。あまり食欲が無いし、ゆっくり寝たいので朝食はなしで。チェックイン時にバイクの保管方法を訪ねたらフロント預かり。通常時はフロント預かりはお断りしているけど、この日はお客が少ないので特別に、とのこと。かなり昔だが、2011年あたりにこちらを利用したときは、部屋へのバイクの持ち込みを快諾してもらえたのだが、変わってしまった模様。ハタゴインにすればよかったか。


チェックインしてシャワーを浴びた後、ホテルに直結のファミマで食料を買い込む。お腹の調子は悪いが、何か食べないと体に悪いだろう。塩気もほしかったのでカップ麺とおでんを買い、部屋に戻って食べた。もともとの計画なら、二日目後にゆっくり休む予定だったので、フィニッシュ時にこれほど疲れているのは想定外。帰りの準備は起きてからすることにした。

食事後、散らかした荷物もそのままに、ベッドイン。

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