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SR600 KW(紀伊山地と世界遺産)

  • Posted by: rp-taki
  • 2019年5月2日 15:50
  • Road

今年から始まった、SR600紀伊山地(と世界遺産)。これまで各SR600を一通り走ってきているし、このところお仕事の都合で平日は関西にいるので、アクセスし易い間に走っておこうということで、コースの公開直後に早々にプランを練って、エントリ。

4/28 9:00スタートで、4/30 18:05フィニッシュ。57h:05mで完走。

★★ まとめ ★★

■走行プラン

新宮と龍神温泉に宿を手配しての二泊三日。一日の距離はおおよそ230Km/200Km/170Km。

ちょっと厄介なのが2日目の宿。龍神温泉は山深い場所にある温泉地で、ソロで泊まれてチェックイン時間の融通が利く宿は限られ、あたりに深夜営業のコンビニなどは存在しない。そんな中、以前泊まった季楽里 龍神が都合が良さそうな印象だったので、季楽里で夕朝食を食べられるように計画を練った。走る日程はGWに設定。これまで走ったSR600では十分に暖かくなった7月あたりで走ってきた。しかし、今回のSR600KWの舞台となる紀伊半島の東南部は雨が多い印象なので、梅雨入り前に走るように計画した。

スタート日時は、まず4/28 10:00で申請。走るのがGWということで、コースが公開された直後に新宮と龍神温泉の宿は手配した。その後スタートが近づき、他の方の実績が出始めた後、それらを参考にスタート日時を同日の4/28 9:00に変更した。

■実績

おおよそ以下のような実績。

一日目(230Km):12h30m(4/28 09:00-21:30), 休憩約05.5h
二日目(200Km):13h00m(4/29 03:00-16:00), 休憩約16.0h
三日目(170Km):10h20m(4/30 07:45-18:05)

■良かった点

(1)紀伊山地の厳かさが感じられるコース

紀伊半島の山深くの寺社や霊場を巡るコース設定。走りながら見て感じるその厳かさに心が洗われる、気がする。玉置山の大峰奥駈道の辺りは、見渡す限りの山々に素直に感動した。

(2)ゆとりあるコースプロフィール

SR600KWは累積10,000mちょっとで、富士以外の他のSR600と比べて累積は少ない。さらに上りの勾配も良心的で、全般的に道路事情も良い。良いペースで走れるので、時間的にゆとりをもって走ることができる。その分、道中で遊んでもよいし、温泉宿でゆっくり休んでも良い。今回私は温泉宿を堪能した。

(3)新緑の綺麗さ

季節的な要素があるが、コースのあちこちで見られる綺麗な新緑は、このSR600KWの印象として私に強く刻まれた景色。天気は今一つだったが、そんな中でも、沿道の明るい緑や山々を覆う緑の濃淡のコントラストは感動的だった。一日目の後半の上北山辺りで新緑の綺麗さに気づいて、それ以降は沿道の緑を見ながら走ってた。スタート前の天気予報はかなり悪かったが、出走を延期せずにこの時期に走って本当に良かった。結局、最後までほぼ雨には降られずに済んだが、たとえ雨に降られとしても、この風景を見られたことで今回走った価値が十分にあると思えた。

■上りで苦労したところ

SR600KWには極端にきつい上りはないが、比較的苦労したのが以下(上から順に)。

(1)玉置山のPC10への上り
(2)護摩壇山のPC13への上り
(3)葛城山のPC02への上り
(4)PC14から野迫川村を抜ける上り

(1)から(3)はそこそこの斜度と距離で比較的苦労した。その中でも玉置山のPC10は、その手前にある那智勝浦からの小さい上りを3つ越えた後になるので、最も苦労した。標高が最も高いのは(2)の護摩壇山なのだが、今回のプランでは護摩壇山は途中の龍神温泉で十分に休んだ後なので、玉置山よりは楽に感じた。人によっては野迫川村に宿をとると思うが、その場合は(2)の方が辛くなると思う。(4)は、上りとしては小さいのだが、PC13を終えて気が緩んでいるところでの上りなので、意外と辛かった。

■道路で苦労したところ

SR600KWの道路は全般的に走りやすいが、その中で走りにくいのは以下(上から順に)。

(1)那智勝浦から先の小さい3つの上りの2つ目
(2)葛城山のPC02からの下り
(3)吉野のPC05の後の上北山までの上りのトンネル

(1)はSR600四国に匹敵する悪路。2つ目の上りの標高500m近辺で、道路に大きな陥没や大量の土砂があった。しかし、そのあたりは勾配が緩く、無理なくラインを選べるので、慎重に走れば問題ない。(2)は急な下り勾配の中での荒い舗装。バイクがガタガタと振動する中でブレーキングに苦労した。(3)は、国道169号のピークの和佐山口のトンネルまで、ゆるい上りの長いトンネルが数多くあり、後方の車には気を使った。上り始める前にリアライトを点灯し、あわせて、足首につけたリフレクターで後方からの車に備えた。さらに、後方に車の気配を感じたら、腰を上げてリアを振り、存在をアピール。SR600KWでは、ここの他にもいくつか長いトンネルがあるので、要注意。ちなみに、トンネルが長いこともあり、無灯火の車は少なかった。

■補給

那智勝浦から高野山まではコンビニなし。それでも、ところどころにお店や食堂などがあるので、昼間走るように計画すれば、補給には苦労しない印象。那智勝浦から龍神温泉までは、玉置山を越えれば補給ポイントは多数ある(十津川、本宮、中辺路など)。龍神温泉から高野山までは、ごまさんスカイタワーや野迫川村に食堂がある。高野山を越えてしまえば、それ以降は市街地で補給には困らない。深夜に走る場合は、那智勝浦から高野山までの補給ポイントは利用できず、そこでの補給が大きな課題になると思われる。

■他のSR600との比較

国内のSR600を一通り走ってみての所感。

・難しさの所感(上から順に)

ーーーーーーーーーーーー
四国山脈 (2017/07)
============←こえられない壁
日本アルプス (2016/07)
北関東 (2016/11)
ーーーーーーーーーーーー
富士 (2013/05)
紀伊山地 (2019/04)
ーーーーーーーーーーーー
()は走った月

・四国山脈との比較

大きく登る富士や日本アルプスに対し、あまり高くまでは登らず数をこなして上りを累積するという感じでは四国山脈も紀伊山地と似てる。が、累積標高も斜度のきつさも四国のほうが数段上。加えて、路面の悪さや補給のしにくさも四国のほうが数段上。

・日本アルプスとの比較

日本アルプスは大きく登って大きく下る感じなので、紀伊山地とは上りの趣が異なる。似ている点といえば、紀伊山地の那智勝浦から玉置山あたりと、日本アルプスの序盤の国道152号あたりの秘境的雰囲気は似てるかな。日本アルプスの難しさの特徴として、乗鞍の開通時期の短さと荒天による通行止めのリスクがあるが、その辺、紀伊山地はまだ安定的。

・北関東との比較

北関東は、紀伊山地と同様に上りを数多く繰り返し登る感じで、私の感覚では上りのタイプの点で最も近い。勾配的にもまだ四国と比べてマイルドだし。ただ、北関東のほうが登りの高さがあるし、累積標高も多いので、難易度的は北関東のほうが上。

・富士との比較

国内のSR600の中で比較的楽と言われる富士。累積標高も紀伊山地と同程度。難易度的には、紀伊山地よりも富士のほうがわずかに上な気がする。というのも、富士の方が、最高標高が高くて寒暖差があるし、高地を走る距離が長いので、気候の変化の影響を受けやすい。上りのタイプ的には、富士は日本アルプスと同様に大きく登って大きく下る感じで、紀伊山地とは趣が異なる。大きく下る富士の方は下りでタイムを稼ぎやすい。大きく登って遅れたタイムを下りで一気に取り戻す感じなのが富士。紀伊山地は上りでそれほど遅れることはないが、スタートから高野山まで、下りや平地でタイムを稼ぐ割合はそれほど大きくない。

★★ 旅情編 ★★

■スタート前日

スタート前日の4/27は、午前中に滞在中の京都を軽く散策。岡崎の近代美術館で壺みたり細見美術館で若冲を見てカフェでお茶したりして過ごす。26日の間に移動して27日スタートというプランも可能だったが、GWで休日の余裕が十分にあるので、できるだけゆとりを持たせた計画。

この日は晴れで天気は良かったが、寒気が入って気温が低く、加えて、風が強くて一層寒かった。数日前から熱っぽくて風邪薬を飲んでいたが、この日の寒さもあって、体調はあまり改善せず。明日からの走行が不安になる。天気予報的に4/29以降で天気が崩れるので、天気的にはこの日にスタートするのがベターだったと思うが、体調の悪さはここがピークだったので、結果的に明日スタートで良かったと思う。

お昼すぎにりんくうタウンに移動し、スタートからほど近いハタゴイン関西空港に宿泊。ここは、去年の近畿1000の前泊で利用したところで、大浴場があるのに加えて、ロビーに大量に漫画が置いてある。まずは部屋でバイクの準備を済ませて、それから入浴。

体調がイマイチなので、お風呂から上がってそのまま寝ても良いのだが、いかんせんまだ時間が早すぎ。すぐ寝ると、翌日のスタートの9:00のかなり前に起きてしまいそうなので、体調が悪くて悪寒を感じながらも、適当な時間まで去年の近畿1000の前に読んだ本の続きを読んで過ごした。

頃合いを見て部屋に戻り、アラームをセットしてベッドイン。さて寝るかというところ、ホテル前の道路を暴走族のバイクが走って、うるさくてなかなか眠れなかった。これも連休のためか。しかも一度きりではなく、時間を空けて何度もやってくるので、大迷惑。あまりにもしつこいので窓から様子を見たら、バイクの後ろから警察車両が追走して監視しているみたい。取り締まってくれれば良いのに。

■スタート前

8.5hほど寝て起床。


6:30より朝食バイキング。9時のスタートにちょうど良い時間。ここで食べられるだけ食べておく。

ウェアは上下夏用。前日に寒気が入って、この時期にしてはちょっと気温は低め。それでも、標高はそれほど高くはないし、初日で最も標高の高い葛城山を早い時間に越えるので、ある程度薄着でも大丈夫だろうと判断。ただ、お腹は冷やさないように、腹巻きだけ付けた。荷物を預けてチェックアウト。ちなみに今回は、フィニッシュ後にここに後泊。

15分ほど前にスタート地点のセブンイレブンりんくう松原店に到着。スタート時刻までコンビニの前で待っていると、スタート直前、翌日SR600KWをスタートするという男女のペアにお声がけ頂いた。私と同じく千葉から来たということなので、時間があればお話を聞きたかったところだが、直前すぎであまりお話できなかった。聞けば、知り合いの方が今朝スタートしているとのこと。もしかすると道中で重なるかも。


それからお店に入って商品を片手にレジ近くで待ち、9時になったところで購入してスタート証明のレシートを取得。すぐにスタート報告をTLに流して、スタート。

■1日目 スタート/新宮 (232.10Km)

昨夜の予報では、日中は晴天ということだったのだが、この日はずっとうす曇りで肌寒かった。雨が降らなかったのがせめてもの救い。

実績日時(計画:16.57km/h)[マージン]
4/28 09:00 (09:00) [ 0:00] 000.00km PC01 セブンイレブンりんくう松原店
4/28 10:36 (10:25) [-0:11] 023.60km PC02 葛城山
4/28 11:53 (11:56) [ 0:03] 048.35km PC03 丹生都比売神社
4/28 13:06 (99:99) [ 9:99] 999.99km 休憩 ファミリーマート 五條病院前店
4/28 13:26 (13:44) [ 0:18] 078.70km PC04 モンベル五條店
4/28 14:29 (14:59) [ 0:30] 099.40km PC05 吉野山・コウヤマキの群落
4/28 17:03 (99:99) [ 9:99] 999.99km 休憩 ヤマザキショップ 道の駅吉野上北山店
4/28 18:51 (20:22) [ 1:31] 188.40km PC06 七色ダム
4/28 19:51 (21:30) [ 1:39] 207.40km PC07 丸山千枚田
4/28 20:56 (22:58) [ 2:02] 231.50km PC08 熊野速玉大社
4/28 21:07 (23:00) [ 1:48] 232.10km 休憩 ファミリーマート 新宮庁舎前店
4/28 21:34 (23:00) [ 1:26] 232.10km Finish グランホテル
実績ペースは、232.10kmを約12.57hで、おおよそ18.46km/h

・PC01-PC02

コース前方、スタート前にお話したお二人が左手の歩道を歩いているのが見えたので、ご挨拶しつつパス。スタートしてすぐに東に折れる。すると、ほとんど勾配のないゆる〜い登りが始まり、しばらく緩く登ること10数Km。街を出る少しの間は信号ストップ多め。街を抜けて少し走った後、葛城山に登る細い横道に入ると、本格的な登りが始まった。葛城山への登りはそこそこの勾配。とは言え、四国みたいに、力一杯踏まないと登れないという程でもなかった。キツイところで15%という案内標識があったが、コースがヘアピン状になっているので、ラインを大きく描けば問題なかった。

小一時間ほど登ってPC02着。計画に対して若干マイナス。まぁ、スタートしていきなり結構な上りなので、ここでのマイナスは想定内。ピークにはたくさんの自転車乗りがいた。登り途中では見てないので、反対側から登って来ているみたい。反対側はかなり急勾配なので、かなり上りごたえのあるヒルクライムだろう。

・PC02-PC03

葛城山からの下りは急勾配。下り始めてすぐに、天空の村的な看板があり、確かに良い眺望だった。停まって写真でも撮ろうかと思ったのだが、後ろからヤマトの宅配カーが来てて、ここで抜かれると下りが面倒そうなので、停まらずに先を急いだ。下りの路面は、白いコンクリート舗装に凹凸があって、小刻みに激しく振動する。ブレーキングも辛く、あまりスピードは出せない。四国の剣山からの下りがこんな感じだったかな。この先もこんなのばかりだったらどうしょうかと思ったが、勾配のキツイ下りはここだけだった。

一気に下って紀ノ川を渡ると、すぐまたPC02への上り。最初の休憩として、R480号の上り口のセブンをチェックしていたが、まだ余裕があるのでここはそのまま通過。高野山へとつながるR480号はそこそこ車が走っていたが、R480号からK4号へと折れると車がいなくなって走りやすくなった。

PC02へは、想像していたよりも上らされる感じ。イメージでは、葛城山と比べて標高もないし、0mから上る訳でもないし、ルートの曲がり方も緩やかなので、葛城山の半分くらい難易度というイメージだった。が、意外と大変だった。

意外と苦労してPC02。気持ち、葛城山の6,7割はあったか。それでも、PC01以降の下りと平坦で多少タイムを稼ぎ、ここで計画に対してプラスに転じた。神社では結婚式をしていた。世間的には令和婚が持て囃されていたのだが、改元前に式を挙げる人もいるらしい。式を横目に手短に神社に参拝し、トイレを済ませて、リスタート。

・PC03-PC04

PC03から先、少し上ってから再び紀の川まで下り。眼下に見える紀ノ川の眺望が良かった。

紀ノ川まで下った後は川の南側を東へ。ごく最近ここを走った記憶あり、走りながら記憶を辿ったとろこで、たしか1月の近畿600の紀伊半島一周。紀ノ川沿いを遡り若干上ってはいるものの、このあたりはしばらくタイムを稼げるポイント。ただこのあたりで、スタート前からあった体調の悪さが一層強まり、熱っぽく、ちょっと足元がふらつく感あり。ただ頭痛や悪寒はほぼないので、だましだましは行けるだろうという感触。あまり頑張って踏まないようにはした。

PC04のすこし前、少しコースを逸れて、たしか近畿600でPCだった五條病院前のファミマで休憩。ここのファミマでの休憩はアドリブ。計画では、休憩ポイントとして、吉野のPC05から下った後のローソン吉野リバーサイド店を考えていた。が、先のR480号の上り口のセブンをスキップしたこともあり、計画をアジャスト。ここでいったん休んで、次を上北山のヤマザキまで引っ張ることにした。その方がコースから逸れる距離が短くて済むので好都合。

ファミマから少し走ってPC04。体調の悪さや途中の休憩もあって、貯金はあまり増えず。

・PC04-PC05

PC04からちょっと走って、PC05のある吉野への上りに入る。桜の季節には観光バスや車で混雑すると思われるが、すでに季節が過ぎているので交通量は少なかった。ここの上りは、去年の5月に行った@watsさんとのツーリングで、下から青根ヶ峰まで上って洞川温泉まで走っている。下千本の駐車場までそれほど苦労した記憶がないのだが、記憶していたよりは斜度があった。と言ってもそれほど高さはなく、すぐに下千本の駐車場まで来て上りは終了。駐車場でいったんトイレ休憩した後、吉野の門前町へ。

黒門を入った道路わきの石碑のところで自転車乗りが写真を撮ってた。ちらっとSR600のフレームバッヂらしきものが見えたので、同じSR600KWの参加者っぽかった。挨拶する機を逸してそのまま素通り。

吉野の門前町は、桜の季節を過ぎて人もまばら。まばらと言ってもそこそこは居たが、ピーク時の混雑ぶりと比べると1割以下の印象。金峯山寺の脇を抜けて先へと進むと、中井春風堂ではお客様を前にしての葛餅作成のプレゼン中。ここのライブ作成の葛餅は賞味期限10分。以前食べた時には、時間が経つにつれて餅に雑味が入り、蜜と絡まなくなっていく様を舌で感じることができた。また食べたいが、時間がかかるしお天気不安で、今回はパス。そこから中千本のトンネルを抜けて、門前町は終了。向かうPCはこの後すぐ。

門前町を後にして、桜がすっかり散った吉野の山を眺めつつ、PC05着。

・PC05-PC06

次のPCは七色ダム。ここまでは各区間の距離が短めでテンポよく来たが、この先は長い。一旦下った後でR169号に乗り、おおよそ30kmほどかけて標高700mちょっとまで上る長い上り。が、気持ちに緊張感はない。

というのも。この上りは途中の川上村でいったん平坦になる2段構成。そして川上村までの一段目は緩い勾配をちょっと上るだけで、実質的な上りはほぼ2段目のみ。そう考えると、上りはほんの400m程度。加えて、R169号は去年のツーリングで大台ケ原から下る逆方向に走っていて、それほど勾配はきつくないイメージ。ということで、のんびり走っていればいずれ終わるだろうくらいの楽観的な気持ち。ただし、ゆるゆると上るR169号ではトンネルが多いので、後ろからの車には要注意。ということで、ちょっと早いが、PC05から下りきった所でリアライとヘルメット尾灯を点けた。

まずはさくっと大滝ダムまで上ると、いったん平坦区間に入る。川上村のダム湖畔の平坦区間は、実は僅かに下っていて速度が乗り、タイムを稼げる区間。しばらく走って、川上村の道の駅でトイレ休憩。道の駅の駐車場には反射ベストを来たライダーがいた。パッと見、バイクにSR600のフレームバッヂは付けてなさそうなので、この辺で同時に他のブルべが開催されているのか、安全意識の高い人なのかと思った。背中のポケットに閉まっているパンを少し食べてリスタート。

ダム湖を過ぎると上りは本番。やや勾配がきつくなる。ここで2人ほど自転車乗りを抜いた。ドリンクの自販機脇に停められているバイクに、SR600のフレームバッジが付けられているのがちらりと見えた。

ループ橋のトンネルのところにある大曲滝。反対車線側にあるのだけれど、車が来てなかったので、渡って撮影。

その先にループ橋。トンネルを潜りつつ、ぐるっと橋を回る。ループ橋を越えてもう少し走るとピーク。

ピークの長いトンネルを抜けると上北山。日当たりの悪いピーク付近の谷間では、まだ桜が残ってた。去年、洞川温泉から大台ケ原に向かう時に走ったR309号との分岐がこの後すぐで、そこを過ぎると知らないエリア。もしかすると過去のブルベて走っているような気もしないではないが、少なくとも覚えてない。

下りの勾配も緩み、休憩予定の上北山の道の駅に向けてゆっくり走っていたところで脇にふと目をやると、沿道の山々の新緑がとても鮮やか。ここまでは、空が曇っていたので、あまり景色を気にせずに走ってきたのだが、天気がイマイチでも十分に綺麗。それに気づいたここ以降は、あちこちで沿道に目をやりながら、ゆっくり走った。

上北山の道の駅のヤマザキショップで休憩。冷えてきたので店内のイートインにて。この先はこの日のゴールの新宮まで下り基調でがあるが、まだそこそこ距離があるので、時間を使って十分に補給。買ったバーガーのパンが固くて食べにくく、ちょっと失敗。こういう時に焦って食べると高い確率で口の中を噛んでしまうので、食べるのは慎重に。補給後に店を出て、出発の準備。表は暗くなり始め、ますます冷えてきていた。この先は下りで夜と低負荷傾向になるので、防寒モードに切り替え、サドルバックに入れておいた薄手のロングスリーブにスイッチ。

着替えていたところで、オートバイのライダーの2人組に話しかけられた。聞けば、ここまで何人かの自転車をオートバイで抜いてきて、気になったとのこと。彼らに、りんくうタウンをスタートして泊りがけで紀伊半島を回るイベントであると話した。そしてまた、彼らは最近ロードに乗り始めて、私のバイクに付けられている機材に興味があるとのこと。ここでブルベの紹介はしなかったが、この日の偶然の出会いをきっかけに、彼らがブルベに挑戦する日が訪れるのかもしれない。しないかもしれない。

彼らからの「この先は道が狭くなるので気をつけて。」とのお言葉を背にリスタートしようとすると、上りで追い抜いた数人のライダーが追い付いてきた。少しお話をすると、お一人は「ツーリストにするかもしれない。」と言われていた。まだ序盤なのだが調子がが悪かったのかな。

下り基調と入っても、勾配がかなり緩くてほぼ平地。徐々に暗さが増す中で、あまり急ぐこともなく、ペースはそれなり。時間も遅くなっているためか車通りはほとんどなく、その点は走りやすかった。七色ダムの少し手前で道路幅は狭くはなったが、車通りがないので特に危険はなかった。

ゆ〜るゆる下ってPC06。この辺りは車通りは皆無だったが、なぜかダムのところに家族連れらしいミニバンが止まってて不思議に思った。だいぶ暗くはなってきていたが、まだぎりぎりあたりは見えて、ライト無しでも写真撮影可。なんとか真っ暗になる前に次の丸山千枚田に辿り着くべく、手早く写真撮影を済ませて急ぎリスタート。

・PC06-PC07

PC06を後にした時点ではまだわずかに明るさは残っていて、PC07まで約20Kmでおおよそ1時間。4月も末で日が伸びてきているし、関西は関東に比べて日が暮れるのはわずかに遅いしとで、千枚田までぎりぎり明るさが持つかと期待した。が、すぐにあたりは真っ暗になり、その時点で千枚田の眺望を諦めた。

軽くひと山越えて、PC07の丸山千枚田。もう辺りはもうすっかり闇夜で、さすがにもう写真の撮影にライトが必要だった。暗さのため、PCの直前で案内の看板を見間違えて、ちょっとミスコースした。なお、丸山千枚田は、やはり近畿主催のブルべで数年前に一回来たことがあるはず。あまり覚えてないけど。

・PC07-PC08

この後は、新宮まで25Km程度をゆるゆる下って、PC08と今日の宿。気分はもうゴールだけど、まだ小一時間ほどはかかる。まずは、丸山千枚田から細い道を下ってR311号に合流。合流地点の舗装が少々乱れていて、暗くて見通しが悪いこともあって、ルートが合っているかどうか一瞬迷った。合流したR311号は道路が広めで、整備状況もよく、山奥エリアが終わって市街地が近いことを予感した。

イメージではここからずっと下りでいるところで、ふと現れるちょっとした上りにフラストレーションを感じたりはしたが、まぁ下りですぐに熊野川の河口付近。川幅のある熊野川に合流すると行く先に市街地の灯りが見えて、もうすぐ今日も終わりだなという気分になった。

熊野川を渡るところで少しコースミス。ちょっと込み入った交差点の手前に「新宮方向」と「紀宝市街方向」の案内あり。今は新宮に向かっているはずなので、紀宝市街方面ではなく、R42号の新宮方面の方へ走って行ったら間違いだった。ちょっと進むと全然逆方向にルートが向いていたので、すぐに間違いに気づいて引き返した。正しいルートに復帰したところでルートに見覚えあり。近畿のブルベで、いつも南から橋で熊野川を渡ってぐるっと回って降りるところだ。

橋を渡るとすぐに新宮市街地。21時くらいの新宮の街中はもう静かだった。

新宮に入ってすぐにPC08到着。

・PC08-グランホテル

PC08を後にすると、この日の宿はすぐ近く。ゆっくりホテルへと向かった。夜の新宮の街は静かさの一方で、煌々と光る街灯に照らされて見た目は賑やか。まぁ、走りやすいといえば走りやすい。路面の舗装が非常に荒くてイライラしたけど。走ること数分でホテル前に到着。

宿に入る前に向かいのコンビニへ。都合よくイートインがあったので、ホテルにチェックインする前にそこで食事を済ませた。時間は21時過ぎ。計画ではホテル到着が23時だったので、2時間ほど貯金を作って初日をフィニッシュできたことになる。

そして、21時半にホテルにチェックイン。自転車は、フロントでタイヤを拭いて、室内保管。

先に食事を済ませているので、あとはシャワーを浴びて寝るだけ。まず手早くシャワーを済ませ、その後、計画からの2時間のゆとりをどう生かすかを考えた。睡眠を増やすか、ウェアを洗濯するか、明日の出発を早めるか。で、明日の天気予報をチェックしたら、午後から天気が怪しくなり、18時くらいから雨が本格的に降りだす予報。私の感覚的な目安では「雨の降り出しは予報の2時間前」。計画では、明日の宿に到着するのが18:00予定。となると、明日の出発を2時間前倒して、そのまま宿に16時に着ければ、それほど濡れずに2日目を終えられると予想。そこで、3つ目の選択肢の「明日の出発を早める」を選択。

明日のプランが明確になったとろこで、充電もろもろセットし、アラームを2時過ぎに設定して、22時くらいにベッドイン。ところが、さて寝るかというところで寝る前にスマホでメールをチェックしたら、気になるメールが家族から届いていて、寝付けなくなってしまった。さすがに疲労感はあるものの、なかなか寝付けず。ベッドの上で悶々としながら1時間すこしたったところでようやく就寝。

■2日目 新宮/龍神温泉 (199.8Km)

二日目に走った中間エリアは紀伊山地の奥深く、三日間の中ではこの日の雰囲気が最も好み。仮眠の質が悪くて調子はイマイチだったが、夜から雨の予報の中で、狙い通りに雨からは逃げ切り。龍神温泉の宿では、温泉につかり夕食をバイキングをお腹いっぱい食べ、豪華な温泉ステイを堪能した。

実績日時(計画:15.36km/h)[マージン]
4/29 02:58 (05:00) [ 2:02] 232.10km Start グランホテル
4/29 03:35 (99:99) [ 9:99] 999.99km 休憩 ファミリーマート 那智勝浦店
4/29 04:17 (06:23) [ 2:06] 253.40km PC09 熊野那智大社 参道入口
4/29 10:02 (11:38) [ 1:36] 334.00km PC10 玉置山 大峰奥駈道 石碑
4/29 10:42 (99:99) [ 9:99] 999.99km 休憩 スーパーヤマイチ
4/29 11:42 (13:27) [ 1:45] 362.00km PC11 熊野本宮大社
4/29 13:06 (14:56) [ 1:50] 384.70km PC12 近露王子跡
4/29 15:53 (18:00) [ 2:07] 431.90km Finish 季楽里 龍神
実績ペースは、199.8Kmを12.92hで、おおよそ15.46km/h

・グランホテル-PC09

4時間は寝る予定が寝付けずに、2時間半ほど寝たところでアラーム。

起床して、食事をしながらこの日のウェアを考える。昨日は予想以上に冷えたし、昨日と違って朝早くから山に入るので、ウェアの選択は昨日よりも防寒を考慮したものにした。下は冬用の起毛の7分ビブとその下にレッグウォーマー。上は近畿の半袖ジャージの上に薄手のロングスリーブを重ね着。二日目は先日届いた新しい近畿ジャージを着たのだが、重ね着してたので表には見えなかった。そして、昨日と同じく腹巻き。良くなかった体調は、悪化はしていないがあまり回復もしておらず、横ばい。ちょっと咳をすると、喉から気管支のあたりにわずかに炎症を感じた。

ドロップバッグを返送しようと、用意しておいたヤマトの伝票(元払いと着払い)を持ってフロントに行ったところ、取り扱いがゆうパック(着払い)のみだった。改めて伝票を書いて、返送を依頼。

ドロップバッグの返送後、改めて部屋からバイクを搬出して、チェックアウト。計画から2時間前倒しで、3時にリスタート。

新宮から那智勝浦まで海沿いを南下して、PC09への上りが始まる手前でコンビニ休憩。この先はしばらくコンビニがなく、途中に調べておいたお店や食堂なども、予定よりも早く出てきたので、営業時間前である可能性が高い。そこで、コンビニでパンを買い込み。ウェアを重ね着して背中のポケットが増えていたので、買い込んだパンをたくさん詰めて出発。

那智勝浦から小さい上りが3つ連続する。まずは、PC09を経由して、妙法山の阿弥陀寺のところまで。

PC09のフォトポイントは、その近くまで1月の近畿600で走っていて覚えているので、気持ちは楽。淡々と上っていると、近畿600でフォトポイントだった那智の滝まで来た。記憶していたよりも楽だった。いったん那智大社の駐車場でトイレ休憩し、そこからすぐにPC09着。

・PC09-PC10

近畿600の時は那智の滝のところで折り返しだったので、PC09から先は未知。PC09はまだまだ上りの序盤。白んできた空の下で遠くに那智勝浦の海を見ながら上って、ようやく阿弥陀寺の駐車場まで辿りつき、妙法山の案内標識を見て、1つ目の上りが終了。PC09までがあっという間だったので、そこからが遠くて妙に長く感じた。

軽く下って、道路が開けた那智高原の駐車場で再びトイレ休憩。那智高原の駐車場からルートが鋭角に折れるところ、休憩後にルートを誤って阿弥陀寺方面に戻りそうになった。下りのはずがなぜか上っていくので誤りに気づき、引き返した。

下っていくと見えたのは小阪の棚田。昨日は丸山千枚田を見損ねたが、ここの棚田も良い景色だった。

いったん300m弱まで下ってから、2つ目の上り。この2つ目の上りは、非常に路面状況が悪かった。上り始めはなんてことはないが、500m辺りまで上ったところで路面が激しく悪化。道路が大きく陥没していたり、大量の泥に覆われていたりして、要注意。全般的に走りやすいSR600KWの中で、ここだけは四国のSR600に匹敵する悪路。悪路はしばらくの間続き、神経を使った。とは言うものの、悪路のゾーンは上りも下りも勾配が緩く、落ち着いてラインを選べるので、気を付けて走れば大丈夫。

3つ目の上りは小さいのでいつの間にか終わってた。

悪路が終わって、小口地区に抜ける川沿いは、これまた新緑が綺麗だった。

山道を抜けると小口地区の集落。そこから熊野川に抜ける間で、事前にお店や食堂をいくつかチェックしていたのだが、時間が早くてすべて営業時間前なので素通り。熊野川に出る手前の神丸バス停では、たくさんの人が古道歩きっぽい出で立ちでバスを待っていた。この近くにはそれほど宿泊施設はないと思うのだが、どこに泊まったのだろうかと気になった。数Km手前の小口地区にキャンプ場があるみたいなので、そこだろうか。

瀞峡めぐりの里熊野川のサービスエリアも営業時間前に通過。そのまま、瀞峡トンネルの迂回路を経て、2日目のメインの玉置山へ。トンネル手前で、背中のポケットに入れた補給食のパンを食べてから、上り始め。瀞峡トンネルを抜けて玉置神社方面に鋭角に折れたら、こちら側でも迂回路のトンネル手前で道路工事してて、そのうちこちら側から玉置山に行けなくなったりするんじゃないかと不安になったりもした。

玉置山の上りは結構な勾配で、加えて、まぁ長い。ずっと上ってきて、ようやくGPS上にPCが見えてきて、展望台方面への分岐まで来てあと少しと思いきや、分岐すると勾配がいっそうきつくなるという嫌らしさ。この最後のダメ押しがこたえた。

苦労してたどり着いたPC10。この日の距離はまだ半分だが、ここまで来たらあとの残りは流して終わりくらいの気持ち。PCの少し先に展望台があるが、雨予報で先を急ぐのでパス。と言うか、上りで疲れたので、あまり寄り道をする気も起きなかった。そこはまた次の機会に。

・PC10-PC11

PC10地点で時間は10時。そして、この日はこの先もう大きな上りはない。この日の宿の龍神温泉まで残り100Kmで、グロス20Km/hで行ったらちょっと早い15時にはつくかもと予測した。チェックインは16時からで、宿に着くのが早すぎると部屋に入れない。天気が良ければ宿近辺でふらついても良いのだが、雨が降っているとそうもいかない。チェックイン前に宿泊者扱いでお風呂に入れたりしないだろうかと考えてた。が、実際にはこの後あまりペースが伸びず、宿に着いたのは16時。いらぬ心配だった。

PC10から戻って分岐を折れて、少し走ると良い景色。見渡す限りの山々と眼下に見下ろす谷。深い山の奥、舗装路で自転車だけど、気持ちは古の修験道。この辺も新緑が綺麗だったので、眺めながらゆっくり下った。

熊野川まで下って十津川。十津川の町にはスーパーがあり、そこで、那智勝浦のコンビニ以来、久々の休憩。スーパーのほか食堂もいくつかチェックしていたが、まだちょっと時間が早くて開いてない。食堂ならこの先すぐの本宮大社のあたりに沢山あるのだが、連休で混雑が予想され、待たされると面倒。そこで、少なくともPC12までは引っ張れるようにと、このスーパーで十分に補給した。

十津川から地味なアップダウンを越えてPC11。玉置山も終わってタイムを稼ぎたいところで、途中の休憩もあり、予想したほどのペースアップはできなかった。本宮大社の周辺は、連休中だけに混雑してた。ちょうどお昼時と言うこともあって、食堂はどこも混んでいる雰囲気。やっぱり十津川で補給を済ませてきたのは正解だった。

・PC11-PC12

本宮大社を後にして、川湯温泉方面へ折れてR311号へ。川湯温泉への入り口から先は初めて走る。紀伊半島を横切る道路には酷道のイメージがあるので警戒したが、予想に反して綺麗な道路。これまた沿道の新緑が綺麗だったので、それを楽しみながら走った。ただ、勾配は緩いが小広峠越えがあって、それほどペースは上がらず。また、意外と交通量があり、上り途中に何度かトンネルもあるので、後ろには要注意。そして、そろそろ気になる天気の方は、不思議と薄雲から光がさしてきたりして、雨の降り出しが遅れているのかなと思われた。ただそうなると、翌朝止むのが遅れることになってしまうので、あまり後ろにずれると困るなと考えていた。

峠を越えて、一気に下って中辺路の町。近露の交差点からからちょっと入って、PC12。PCの周辺には観光客っぽい外国人が居た。こんなところに来るとはマニアックな人たちだ。

そろそろ雨が近づいているはずなのだが、上空は青空。ただ、風が強くなってきていて、雨が近づいてきている雰囲気はあった。

・PC12-季楽里 龍神

近露の交差点の辺りには食堂やスーパーがあるが、雨が降ってくるまでにできるだけ宿に近づいておきたかったので、ここも素通り。時間的には十分の余裕があったので、天気の不安がなければ寄っていきたいところだった。

PC12から龍神温泉までは、ちょっと下ってからはゆるく上りが続き、ここもあまりペースは伸びず。なんだかんだで、宿に着くのは16時くらいになりそう。この日の宿の季楽里 龍神には以前にも泊まったことがあるが、夕朝食に時間予約が必要かどうか覚えてなかった。連休中で混雑が予想されるので、もし時間予約制だったら早めにチェックインして早い時間を確保したい。夕食はともかく朝食が遅れると痛いので、気が逸った。が、後のチェックイン時に食事の時間の確認をしたら、予約制というわけでもなかった。

先ほど見えていた青空は、PC12を出るとすぐに雲に覆われた。徐々に怪しげな雰囲気になり、その点でも徐々に焦りが出はじめた。そのため、龍神村西でとんかつ屋が開いているのが見えたが、やはりパス。その後も天気はしばらくもったが、15時過ぎたあたりで僅かに雨粒を感じ始め、龍神温泉まであと7,8kmというところでパラパラと降り出した。そのため、以前来た時に寄った松坂食堂はスルー、気になっていた龍神温泉の道の駅近くのcafeもスルー。いったん雨が降り出してからは、雨脚が強まるのがちょっと早い。宿の到着直前でそろそろ本降りになるかというくらいで、道路もしっとり濡れててきていた。

季楽里の手前で側道に入る道路をいったんパスし、ルート通りに季楽里の先まで走ってから、戻る形で側道に入って宿へ。

16時前に季楽里着。雨はギリギリというところで回避。いち早く夕朝食の時間を確定させるために、まずはバイクの装備はいったんそのままでフロントに向かい、チェックイン。食事の時間は、一応確認と言う程度で、予約制という訳ではなかった。とりあえず、夕朝食ともに最も早い時間を申請した。チェックインを済ませた後、バイクの装備を取りに再び外へ出ると、もう雨が本降りになっていた。この日は、これからずっと雨が降り続く予報だったので、後続を走っている人は大変だろうなと思った。

別館和室10畳に入室。季楽里は「サイクリストにやさしい宿」を謳っていて、施錠可能な場所でバイクを保管したり、また、そのまま持ち込める部屋もあるらしい。持ち込めるのは洋室かな。まぁ、ホテル前に屋根があるし、ワイヤーロックしておけば屋外でも問題はない。

夕食を17:30で申請したので、その前にお風呂。並行して、コインランドリーで洗濯。龍神温泉は三大美人の湯と言うことで、お肌はつるつるに。サウナもあるけど、惜しむらくは冷水風呂がない。サウナに入ってはみたものの、体調がいまいちで長くいられず、2,3分で出た。やはり冷水が欲しかった。お風呂から上がって、ランドリーの終了を待ちながら、お風呂前のマッサージ機で体を解す。その後、乾燥まで済ます。

17:30から夕食。部屋を出る時に隣の部屋の女性二人組とニアミス。仲良し女子の二人旅っぽい。お楽しみの夕食は、食事二周とデザート一周。一時間ほど食べ続けて満腹。明日のスタートまで12時間以上あるので、お酒を飲んでしまっても良いのだが、体調がイマイチなので、自重した。

部屋に戻って寝る前にお天気チェック。今夜はこれからずっと雨が降り、明け方にいったん雨が強まって、8時くらいには弱まる予報。明日は朝から日中いったん雨が止んで、18時くらいに再び降り出す予報。計画では、最終日は9時スタート/21時フィニッシュだが、明日の朝は8時くらいにはスタートできる見込み。そこで、8時スタートから10時間走って18時にフィニッシュする計画とした。

布団に入る前にメールをチェックしたら、家族から昨日の追伸メールが届いていて、いったんは悩みは解消した。明日の朝食は7:00。朝食前に準備をすべて済ませておきたいので、余裕を見て5:30にアラームをセットして、19:30頃にお布団へ。体調の悪さか疲れからか、布団に入ると唇がジンジンして身体が熱っぽかった。

■3日目 龍神温泉/フィニッシュ (171.2Km)

最終日は温泉宿でのロングステイの後のショートステージ。上りも距離もゆとりあり。雨が止む時間を見計らって走り、二日目と同じく、雨からは逃げ切った。走り終えての、あまり遊べなかったという心残りは、次走へのモチベーション。

実績日時(計画:14.38km/h)[マージン]
4/30 07:47 (09:00) [ 1:13] 431.90km Start 季楽里 龍神
4/30 09:51 (10:17) [ 0:26] 450.40km PC13 ごまさんスカイタワー
4/30 10:46 (11:41) [ 0:55] 470.50km PC14 熊野参詣道 小辺路
4/30 12:39 (13:24) [ 0:45] 495.20km PC15 高野山 金剛峯寺
4/30 12:45 (99:99) [ 9:99] 999.99km 休憩 ファミリーマート 高野山店
4/30 15:16 (17:09) [ 1:53] 549.30km PC16 マリーナシティホテル
4/30 16:40 (18:55) [ 2:15] 574.60km PC17 休暇村 紀州加太
4/30 18:05 (21:00) [ 2:55] 603.10km Finish セブンイレブンりんくう松原店
実績ペースは、171.2Kmを10.28hで、おおよそ16.65km/h

・季楽里 龍神-PC13

5:30起床。眠りが浅くて夜中に何度か起きてはトイレに行ったが、時間的には十分寝た、はず。

朝食前に出発の準備。最終日のウェアは、この日は結構気温が上がるようなので、上下夏用。折角なので、昨日洗濯した近畿ジャージ。雨は朝には止む予報だが、上の方は雨が残ると思われるので、出発時には上下レインウェアを着るつもり。蒸れないように、中はあまり着こまないようにした。それでもやはり腹巻きは着用することにした。

荷物をバイクにセットしにいったん外へ。この時はまだ割と雨は降ってた。予報では、そろそろ止む見込み。

一通り出発の準備をして少し時間が余ったので、軽く朝風呂に入る。それから、7時からの朝食前に荷物を発送してしまおうと荷物を抱えてフロントに行ったのだが、フロント営業が7時からで送れず、そのまま荷物を部屋に持ち帰る。そして朝食を前に、朝食会場での出で立ちを考える。やたらと目立つ近畿ジャージのまま朝食会場に出向くのは恥ずかしい。そこで、上はシックなカペルミュールのサイクルウェアに替え、レーパンの上から薄手の短パンを履いた。そして頃合いを見て朝食へ。部屋を出たところで、今朝もまた、隣の部屋の女性二人組とニアミス。

7時からの朝食ビュッフェ。通常は7:30からなのだが、繁忙期のため、開始が30分前倒し。急ぐ身としては好都合だった。急ぎつつも、高野山のコンビニまで持つようにここで沢山食べておく。

急いで朝食を食べた後、荷物を発送して、チェックアウト。宿の外の雨はだいぶ弱くなっていたが、上下レインウェアに加えて、シューズカバーとモンベルの防水ソックスで浸水対策。予定より1時間ちょっと前倒しで、8時前に出発。

PC13のごまさんタワーまでは長い上りで斜度もそこそこ。雨は予想に反し、上り始めてほどなく止んだ。上りで暑くなってきたので上のレインウェアはすぐ脱いだ。下はそのまま。下は履いててもそれほど暑くはならないし、脱ぐのも面倒なので。結局、出てからほとんど降られてないので、レインウェアを着ずに出ても良かった。

龍神スカイラインの上りは山深く、ここも新緑が綺麗だった。ピークの少し手前は濃霧で、まるでプロジェクトD vs チームスパイラル。雲の中のようでちょっと雨っぽかったが、それほど強くはないので、ウィンドブレーカーで簡易対処。雨で少々冷えたが、まぁ問題ない程度。

龍神温泉からちょうど2時間ほど上ってPC13。レストランの営業は10時からのようで、ちょっと待てば食べられたが、宿で朝食を十分に食べて来たし、今日も先を急ぐのでパス。

・PC13-PC14

龍神スカイラインのピークを越えると、下りはすでに路面がだいぶ乾いており、温かい。こちら側は結構前に雨が止んでいた様子だった。すこし下って野迫川方面へ。

この先にはホテルもある村があるはずなのだが、どんどん深い谷に入っていくので本当にそんな村があるのかと疑い始めたところ、キャンプ場を過ぎたあたりで突然その村が現れた。秘境感あふれる雰囲気の中、連休で泊まりに来ていると思われる人がそこそこいて、意外と言ってはなんだがそれなりに賑やかな雰囲気。ここのホテルのせ川は、SR600KWでもよく使われるらしい。ホテルのレストランもチェックしていたが、ちょっと時間が早かったのでパスして先へ。

野迫川の村を抜けてすぐPC14。脇の自販機に空き缶がたまってた。古道歩きの人が買ってるのか、近くにゴミ箱がなくて、そのまま置いて行ってしまうようだった。

・PC14-PC15

R371号に出るまでちょっとした上り。高さ自体はそれほどないが勾配が結構あり、そして意外と長い。まず、上り始めてのすぐの平家の里だかなんだかに上って川沿いの県道733号をショートカットするところが結構きつい。護摩壇山を過ぎて気が緩んでいたところでの上りで、より辛く感じる。ここは平家の里にフォトポイントおかないと、県道を大回りして楽されてしまうのではないかと思ったのだが、県道733号の合流地点でそっちは通行止めになってた。

平家の里から少し下ってまた上り。野迫川辺りではよい雲海が見られるらしく、雲海スポットがこの辺のルートから外れて少し上ったところにあるみたい。この湿ったお天気なら雲海が見えないかなと思ったが、そんな雰囲気はなし。朝方に来ないとダメか。機会をみて泊まりに来てみたい。SR600KWで宿を野迫川にとって、朝早く出ればちょうど見られるかも。

R371号の出る手前で、いなか食堂が営業しているのが見えた。時間的には食事するのにちょうど良い頃合いなのだが、先を急ぐのでここもパス。そして、野迫川村を抜けてR371号に合流するところで上りは終わり。SR600KW全体で登りはここで終了。この先の多少登り返しは気にならない程度の勾配。

PC14から意外と時間がかかってPC15の金剛峯寺。観光客多数で証明写真が撮りづらかった。

・PC15-PC16

この後は下りと平地のみ。PC15時点で計画から40分ほど貯金があり、この先は貯金が増えることはあっても減ることはない。完走はほぼ見えた。

高野山のファミマで補給。スタートしてから補給食を取りながら上って来ての、最初の休憩。この先は下りとは言え100Km残っているので多めに食べておく。時間は13時前で、18時にフィニッシュするには、この先100kmでおおよそグロス20Km/hが必要。上りはもう無いとはいえ、疲労がある中でグロス20Kmは難しいかもしれない。そして、休憩している間に少し雨がポツリと来た。もしかして雨雲の速度が早まってるのかと不安になった。

高野山からの下り、軽トラとミニバンに前を塞がれてしまったが、もう急ぐ必要はないので焦りはない。それよか、前の軽トラが割とセンターラインをはみ出してレコードラインを走るのが気になった。海南方面に折れて勾配が緩むと軽トラに引き離され、直後にR480号から抜けると車もなく走りやすくなった。そこからの先の紀美野町の辺りは、緩い下り勾配を気持ちよく走れ、18時フィニッシュに向けて追い込み。追い込みで少々熱くなってきたので、レインパンツを脱いだ。下り終わって海南に入ると、信号も増えてきて、ボーナスステージは終了。

海に近づくと空気が非常に湿っぽくなっていて、上空かなり低いところまで白い霧状の雲で覆われていた。実際、場所によっては霧雨っぽくなっており、この先いつ雨が降ってきてもおかしくない雰囲気。予想よりも天候悪化がちょっと早く、これは18時まで天気は持たないかもしれないと思った。マリーナシティホテルまでの道路は、年初の近畿600Kmで走っていて見覚えあり。PC手前、マリーナシティに渡る橋の上から海を見ると、白い湿気が広く海上を覆っていて、今にも雨が降りそうだった。

天候悪化の不安の中、PC16着。

・PC16-PC17

残りの距離は55Km弱。次のPCまで25Kmで、そこから最後は30Kmと、ショートでつないでフィニッシュ。気持ちはずいぶん楽なのだが天気が不安。場所によって空気が湿っていたりクリアだったりしていまいち読めず、とりあえず先を急いだ。北のサンブリッジを渡ってマリーナシティを後に。北側のサンブリッジと東側のムーンブリッジという対比になっていることを後で調べて知った。

マリーナシティの後は、海沿いを走って和歌山港へ。南海フェリーで何度か徳島から来ているので、和歌山港前の交差点は馴染みがある。いつもはここから和歌山駅に向かうのだが、今回はループを上って紀ノ川を渡って加太へ。加太とその先の深山は砲台跡が多く残っているらしく、観光地化されていた。友ヶ島などはラピュタっぽいということなので、機会をみて是非まわってみたい。

深山に入ると小さい港。港にあったトイレに寄って、補給食を食べながら、見上げた山の上にあるのが最終PCのある休暇村紀州加太。あそこまで上るのかとちょっと気持ちが沈んだ。上りは勾配が10%位とちょっときつめ。ただ、距離は1Kmほどと短いので、嫌になる前には終わり。まぁ、SR600KWの最後のひと頑張りという感じ。

最終PCの休暇村紀州加太。休暇村の駐車場にはかなりの台数の車が停まっていて、たくさん人が来ていることが見て取れた。ここも連休で混雑しているみたいだった。幸い、まだ雨は降ってきておらず。SR600を走る時は念のためPCの証明写真ををinstaにアップするようにしていて、雨が降るとそれが面倒になってしまうのだが、今回はすべてのPCの写真を無理なく撮影してinstaにアップすることができたので、気分はすっきり。

・PC17-フィニッシュ

休暇村から折り返して再び走りだすとすぐに大阪。狭い海岸沿いの道路でふっと大阪に入ってしまって、感慨薄い。そこから深見港を過ぎて、泉南から阪南へ。深見からりんくうタウンまでは、近畿1000の後に洲本からフェリーで渡って走って、なんとなく見覚えのある雰囲気。阪南辺りからは交通量が増えるとともに、再び空気が湿って雨っぽくなる。車が多くなって少々走りにくいが、脚に力を入れて先を急いだ。しばらく走ると、再び空気が乾いて落ち着いてきたので、足をゆるめて残りはクルージング。

府道63号に乗って幅の広い海岸沿いの道路に入ると、近畿のブルベで馴染みのあるルート。ここまで来るとフィニッシュはもうすぐ。急げば18時前にフィニッシュできるかというところだったが、タイムは意識していないので、無理なペースアップはせず。自転車進入禁止の橋を2つ、ゆっくりと歩道を走って渡る。進行方向にりんくうタウンの観覧車とスターゲイトホテルの高層ビルが見えて、フィニッシュがはっきりと見えてきた。そのまま歩道をゆっくり走り、交差点で横断歩道で渡って右折。そしてフィニッシュへ。

18時を回ってゴール地点のコンビニに到着。すぐに買い物をしてレシートを取得し、フィニッシュをTLに流した。18:05で、トータル57h05m。

■フィニッシュ後

雨が降り出す予報の18時を回っているので、ぐずぐずすることなく速やかに後泊するホテルへ移動。

後泊もりんくうタウンのハタゴイン。チェックイン前に、隣のコンビニでタオルを買ってバイクの汚れを落とした。雨を回避できたので泥だらけにはなっておらず、すこし拭くだけで汚れは落とせた。それからチェックイン。部屋への自転車の持ち込みの許可を頂けたので、そのまま部屋へ。

休息の前に、まずは軽くシャワーとランドリーの仕込み。乾燥まで全自動のランドリーにウェアを放り込み、2時間の所要時間を確認した後に、ゆっくりと休息へ。

まずは食事。りんくうタウン周辺は食事をするところが少ないが、ハタゴインの辺りはそれに輪をかけて何もない。そこで再び隣のコンビニへ行って、イートインでコンビニ飯。ホテルに戻る前に、後で食べるスナック菓子を買った。やはりお酒は自重。コンビニを出ると外は夜を迎えて暗く、予報通り雨が降ってきていた。

それから、ホテルに戻り、大浴場でゆっくりお風呂に浸かる。部屋に戻った後はベッドでゴロゴロしながらお菓子を食べ、テレビを見る。この日は平成最後の日ということで、各局から放送されているのは特別番組。どの局も横並びで、渋谷の交差点を映していてうるさい。そして、一部の映りたがりの一般市民のアピールが激しく、それを逸らそうとするカメラワークに追いすがる市民。平成も終わろうという中で繰り広げられる、品のない映像風景を苦々しく思った。

頃合いを見て、ランドリーにかけていたウェアを回収。で、億劫だったのが後片付けの輪行準備。期間中に十分に休息をとってはいたのだが、調子がイマイチだったためか、結構疲れていて体が重い。このまま早く寝て翌朝起きてから片づけるという案もあるが、せっかく令和を迎えるので、今夜はこれから0時を回って改元するまでは起きているつもり。その時まで時間が余っていたので、疲れをおしてここで準備を済ませた。

一通り後片付けを済ませ、平成の終わりが近づいてきたところで、テレビで各局をザッピングしてみても、やれカウンドダウンやら、やっぱり各局うるさい映像ばかり。そんな中で、Eテレの2355だけが唯一しっとり落ち着いていたので、チャンネルをEテレに固定。

平成最後のブルべのSR600KWを走り終え、後泊のりんくうタウンのホテルのベッドの上で、Eテレのカウントダウンを見て、平成から令和への改元を迎えた。

改元直後のEテレの番組はスペイン語講座とかだったか。チャンネルを変えると、他の局はやっぱりうるさかった。改元も迎えたので、ポテチの令和スペシャルパッケージを食べ、そして寝ることに。チェックアウトの時間にはゆとりを持たせているので、朝食を急ぐ必要もない。アラームは適当に設定。SR600のフィニッシュ後の無駄に長い後活動を終え、ようやく就寝。

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