PBPの前後でパリ観光
パリはどこもかしこも人が多い。どこへ行っても新宿の街中くらいの人がいた。おそらく、そのほとんどが観光客。
気候的には、8月にして、既に落ち葉の季節だった。今年の夏は涼しかったとのこと。
さて、パリ近郊で見て回ったのは以下のようなところ。おおよそ、4日位かけて回った。これだけ回れれば、お腹いっぱいである。もし、もう一日あったらどこに行くかと言われたら、カフェや美術館など静かなところでのんびりしたいと答えると思う。美術館編(ルーブル美術館、オルセー美術館、ポンピドゥーセンター)は、別途エントリを書く。
・アンヴァリッド
・ヴェルサイユ宮殿
・エッフェル塔
・オルセー美術館
・凱旋門
・ガルニエ宮
・コンコルド広場
・サクレ・クール寺院
・シャンゼリゼ通り
・ノートルダム大聖堂
・バスチーユ広場
・パレ・ロワイヤル
・ポンピドゥーセンター
・ルーブル美術館
上記の観光スポット、および、その他含めた全体的な感想としては、「綺麗な部分と汚い部分のギャップが大きい」。宮殿や美術館、その他のビルやアパートらしき建物など、装飾やデザインが荘厳華麗な反面、路地などはゴミゴミしているし、中心部からちょっと離れると結構汚れが目立つ。一番マイナスイメージが大きいのが駅や道路脇の落書き。日本でもみられるようなスプレーの落書きがやたらと書いてある。エスプリの効いた落書きなどは無い。CDG空港からパリ市内に向かうバスの中で、いきなりそれらを目にするので、第一印象が悪い。日本と比べると、華麗さではパリ、清潔さでは日本のほうが上だと思った。
また、気軽に入れるトイレが少なくて困った。美術館やエッフェル塔等の観光スポットにはトイレはあるものの、街歩き時に使えるトイレがない。カフェやレストランで食事して、そこで借りるくらいしか手段が無かった。ちなみに、地下鉄の駅にトイレは無い。コンビニはそもそも無い。個室形式の公衆トイレをたまに見るが、50%位の確率で使用中。しかも、いくら待ってても出てこない。故障か、もしくは、浮浪者が入っているかのどちらかだと思う。
■ホテル
前のエントリでも書いた通り、フランス滞在中の宿はメトロ6号線の「セーブル・ルクルブ」駅付近のホテル。二つ星のホテルで、一泊約7000円。日本で言う所のビジネスホテルクラスらしい。が、バスタブが無い。基本的に日中は観光しているので、ホテルでは寝られれば良いのだが、やっぱり日本人としてはバスタブが欲しかった。シャワーはあるので、とりあえず何とかなった。また、エアコンも無い。パリは涼しいので夏はまぁいいとして、冬は辛いかもしれない。
ホテル。ちなみに時計もない。目覚ましを持参しておいて良かった。
■移動手段
観光中に使った交通手段は、鉄道と自転車。バスやトラム(路面電車)も走っていたが、旅のバイブル「地球の歩き方」に載っている観光スポットの最寄りが概ね鉄道の駅なので、それらは使わなかった。
パリ市内の地下鉄メトロ。運転が荒くて加減速がキツイ。駅はけっこう小汚い。多数の路線が網の目のように走っていて分かりにくいが、東京の地下鉄も似たようなものなので、すぐ慣れる。楽器を持ち込んできて演奏しては、乗っている人から小銭をもらったりする人もいる。また、単に施しを求めて乗っている浮浪者もいる。
ちなみに、パリ市内はチケット定額で、入る時に自動改札にチケットを通して出るときはフリー。出る時にチケットを回収してくれないので、改札出口付近は捨てられたチケットが散乱していた。ちなみに乗り越し精算の仕組みが無く、定額ゾーン外と往来するときは事前にその区間のチケットを買い、入場時に改札を通す必要がある。そうしないと、たまにある車掌の検札でひっかかる。未使用のチケットを持っていても、乗車駅が分からないのでダメ。自転車などを持ち込む時に、改札脇から入る時も、一旦チケットを改札に通す。
このシステムだと、乗り越し精算や出口改札がないので、Suicaの様な自動精算は不可能。パリには、指定したエリア内のフリー乗車が可能なNavigoというICカードシステムがあるが、範囲外での自動精算はできない。この辺の細かいところで、日本は便利だなと思う。
パリの自転車貸出システム「Velib’」(ヴェリブ)。ICカード付きのクレカで借りられる(1日1ユーロ)。パリ観光に際し、パリの空気を感じながら回ってみたくて利用した。最初は借り方がよく分からずに苦労したが、2日目以降は、さもパリに住んでいるかのごとくスムーズに借りることができ、ステーションで悩んでいる観光客を見てちょっとした優越感に浸れた。その一方で、借りる時、ほぼ確実に椅子を下げなけれはならないという、欧米人との体型の差を痛感させられる屈辱的なシステムでもあった。加えて、以下のような辛さもあって、フランス滞在の後半では使わなくなった。パリに慣れている人が年間パスで使えば、有効に使えると思う。
・観光スポット付近での返却が難しい
市内に点在するステーションのどこへでも返却することができるが、ステーションに置ける台数は決まっている。観光スポット近辺のステーションは、昼間は満車で返却できないことが多く、慣れてないと返却難民になる。待ち合わせや集合時間などで到着時間に制限がある場合、スムーズに返却できずに遅れる危険性がある。観光スポットへの移動を考えず、借りっぱなしで1時間くらいポタリングする分には良いかもしれない。料金が30/60/90/120分で0€/1€/3€/7€となるので、一回に借りる時間は90分位までが限度だろう。とは言うもののパリは観光客が多いので、観光スポット付近のステーションに回収業者が待機したりして、キャパシティと無関係に返却できるような仕組みが欲しい。
・行きたい方向に行けない。
市内は一方通行の道ばかりで、行きたい方向にスムーズに行けない。自転車は入っていって良いのかもしれないが、その辺の交通ルールが良く分からない。また、2車線以上あると左折が難しい。十字路なら二段階左折(右側走行なので)でいけるが、T字路ではそれができない。特にセーヌ川沿いで、T字路を左折して路地に入りたいシーンが多い。しかたなく横断歩道を押して渡ったりもした。一方通行逆走や歩道走行は禁止のはずであり、はたして横断歩道を押して渡っていいのかどうかは不明。他の人を見ると割と適当に走っているが、自転車乗りのマナーとしてはできるだけルールに則りたかった。
・走りづらい
やっぱりママチャリスタイルが走りづらい。また自転車が重く、さらに自転車もどこかしら壊れていることが多い。
石畳と道路脇。ヴェリブで石畳は走ったが、ツールよろしく道路脇のフラットな部分を走るようなチャレンジはしなかった。
■凱旋門
既定期間(2/4/6日)入場フリーのミュージアムパスが使える。入り口が一般のチケット購入者と分かれているので、パスを持っていればスムーズに入れる。屋上は展望スペース。
第一次世界大戦の無名戦士達の慰霊碑。フランスにとって第一次世界大戦は、非常に重要な歴史上の出来事らしい。
■ツール関連
ツールの最終ステージで見られるポイントをヴェリブで見て回った。
ルーブル美術館前の地下道路。ヴェリブで突入するようなチャレンジはしていない。自転車の進入は不可なんじゃないかな。
コンコルド広場の噴水。ツールよろしく、コンコルド広場からシャンゼリゼ通りの最後の直線にアタックしようかと思ったが、交通量が多いので断念。
オベリスク。結構高い。ツール中継のカメラアングルはもっと上からなのでさらに高い。
ジャンヌ・ダルク像。像のすぐ後ろにビルと狭い路地があり、周りのスペースは意外と狭い。ツールの中継では左後からの映像であり、スペースの狭さをうまく隠している。絶妙なアングルだと感じた。
■エッフェル塔
ミュージアムパスは使えない。塔の各足に入り口があって行列が分散するため、チケット売り場から入場までは多少並べば入れる。ただし、中に入ってからのエレベーター待ちが長かった。一番上の展望台までは一気に登れず、中間の展望台でエレベーターを乗り継ぐ必要あり。乗り継ぎ時に4つの足から登ってきた人が集約されるので、そこがやたらと混んだ。なお、中間の展望台は吹きさらしであり、雨風などの天候に気をつける必要がある。半袖で行ったら寒かった。
曲線がきれい。東京タワーも同じシルエット。新東京タワーの直線的なシルエットには美しさを感じない。ちなみに、バルコニーの帯に科学者の名前が金文字で掘ってある。ちなみに、4つの入り口の内、北と東の入り口がエレベータ、西と南は階段のみ。私はエレベーター用の入り口を使った。PBP後の疲労の中での訪問だったので、もし階段で登ったらひどい事になっていただろう。
凱旋門を見るとこんな感じ。建物のカラーリングは、白っぽい壁に灰色の屋根というのは標準っぽい。
日本の方角を見るとこんな感じ。最上部の展望台には主要各国の方角が示されている。
■アンヴァリッド
傷病兵を看護する施設としてルイ14世により建設されたアンヴァリッド。今は、北側に軍事博物館、南側の寺院にナポレオンの柩がある。軍関係の施設のせいか、パリ市内にわらわらいるお土産売りや観光客につきまとう寄付詐欺師などは皆無。博物館の入り口では、ごつい係員が手荷物チェックをしていた。
ドームが美しいアンヴァリッド。南側から。
軍事博物館。鎧や剣、銃などが大量に展示してある。日本の武器や軍事系の展示と違って、金属の輝きが目立った。
3Way。ツインビーで言う所の「スーパーキャンディー」。こういう拡張には、なんというかロマンを感じるな。トリプルロータリー+ターボみたいな。
シャルル・ド・ゴール記念館。シャルル・ド・ゴールの生涯を紹介する映像や電子資料がある。歴史的な展示物がある訳ではないが、館内やディスプレイのデザインや色使いが非常にイカス。日本のなんとか記念館の類との大きな差を感じた。
ナポレオン一世の棺。周りを観光客が歩きまわる。一日三時間しか寝なかったというナポレオン、死んでもこれでは安らかに眠れないだろう。
■アレクサンドル三世橋
パリ万博にあわせてロシア皇帝から寄贈された橋。橋の欄干や四隅の柱の装飾は美しく、歩道は広く、上空を遮るものもなく開放的。東京の中心の日本橋が首都高下に押し込められているのを思い起こし、それが実に残念に思えた。
でも、欄干の生首が怖い。
■ガルニエ宮
オペラにある歌劇場。観光中に色々回った中で、室内のライトアップは、ここが一番きれいだった。
オペラやバレエなどの開催スケジュールを調べてみたが、8月中は何一つ催しが無かった。中の見学はできる。
舞台。正面のテラス明かりが点いてないので薄暗く、あまり綺麗には見られなかった。見学の際は、正面の小さなスペースからちょっと見られる程度。下の方にいる人がどうやって入ったのかは不明。そういうツアーか何かなのかも。
シャンデリアが低い。多分、ジャンプしたら届く。入れないけど。
■ノートルダム大聖堂
聖堂内、および、塔に登る入り口に行列ができていた。聖堂入口の行列はそこそこのペースで進むので、ちょっと待てば入れた。塔に登る方の行列は、入場制限しているのか、全く進んでいる様子がなかった。そのため、塔に登るのは断念。たまたま、行ったのが日曜のミサの時間。聖堂内で音楽が流されていて、奥の祭壇では、司教様か司祭様か、そんな感じの人が厳かに歩いていた。
裏側の公園から。表とは違って刺々しい。
■バスティーユ広場
フランス革命の発端となったバスティーユ要塞襲撃事件の跡地。と言っても、要塞の面影は全くなく、周りに派手な装飾がされている訳でもなく、結構地味だった。
ロータリーの中心にオブジェがあったくらい。
■パレ・ロワイヤル
ルーブル美術館からちょっと北に行ったところにある。ルーブル美術館周辺やチュイルリー公園に比べ人が少なく静かであり、ちょっと落ち着くのに良いところだった。
現代アート風の広場。親子連れが居て、子供が筒に登ったり、ボールやキックボードなどで遊んでいた。他と比べて人が少ないので、遊び場としてちょうど良いのかもしれない。ちなみにこの下には空間があって、そこに小銭がバラバラと落ちている。それを、隙間から垂らした磁石で吸い上げる人がいたりする。お洒落気な広場の中で、パリの暗い部分が感じられた。
■モンマルトルの丘
旅のバイブルによると、悪質なミサンガ売りに注意とのこと。たしかに、早朝からそれっぽいのがいた。このようにあまり治安が良くないらしく、5,6人の軍服がライフルもってパトロールしていた。
広場には絵かきがたくさんいる。声を掛けられたが断った。5分だけと言われたが、この時、激しくトイレに行きたかったので、5分も待っていたらひどい事になっていただろう。近くのカフェでコーヒーを頼んで、トイレを借りた。ちなみに、ぼったくられるので絵かきにも注意らしい。
丘の頂にあるサクレ・クール寺院。寺院の中は撮影NG。院内に、「寺院の保全のために、どこの国の通貨でもいいから寄付をして欲しい。」と書いてあった。その辺は日本の寺社仏閣と変わらない。ここを訪問したのはフランス最終日。これまで回ったフランスの寺院で1セントもお賽銭を出していなかったことに思い至り、2€のロウソクを買って灯した。
寺院のドームに登って(有料)、撮影。凱旋門やエッフェル塔で見た景色と雰囲気はあまり変わらない。
地下は展示スペース。ドームとは別料金。営業開始時刻になっても窓口に係員がおらず、窓口前に人が並んでいた。私は自動発券機でチケットを買って、チケットのバーコードを扉にかざして入った。中に入ったら誰一人いなかったが、少ししたら、係員っぽいお姉さんが社員用らしき扉から小走りで入ってきた。おそらく遅刻。
■ヴェルサイユ宮殿
「パンが無いならケーキを食べれればいいじゃない。」でお馴染みのヴェルサイユ宮殿。当時の王侯貴族の繁栄の裏で民衆は苦しんだとは思うが、その当時に残された宮殿や文化が、今やフランスの代名詞。やたらと豪華な宮殿とやたらと広い庭園を、徒歩で6時間かけて回ったが、それだけの時間をかけても全部を見ては回れなかった。売店で図録風の見学ガイドが販売されていたので、自分用のお土産に購入。ちなみに、ヴェルサイユ宮殿までの移動は、モンパルナス駅からパリ郊外鉄道でヴェルサイユ・シャンティーまで行き、そこから徒歩。列車内のアナウンスの女性の自動音声(低めの声)が素敵だった。
ヴェルサイユ宮殿見学には、ドロップバックの場所確認という、もう一つの理由があった。ドロップバックというのは、ブルベ中に、荷物を途中まで運んでくれるシステム。今回のPBPでは、PBPのツアー会社が有料でドロップバックをしてくれて、事前に申し込んだ上で、ヴェルサイユ宮殿の近くにあるツアーのホテルに荷物を持ち込むと、ドロップバックを利用することができた。私はツアーには参加しなかったが、ドロップバックには申し込んでいた。荷物の持ち込みはPBP当日であり、いざ当日になってホテルの場所が分からないと困るので、ヴェルサイユ宮殿見学のついでに、事前にホテルの場所を確認しておいた。
10時半くらいに見学開始。宮殿の入り口が開く9時から1時間半しか経っていないが、すでに大行列だった。なお、ここもミュージアムパスは使えるものの、入り口が一般入り口と共通なため、チケット購入者と同じ行列に並ばなければならない。おおよそ1時間待たされた。目の前で日本人観光客のオバサンがキレていた。ちなみに、庭園の方は入場無料で、8時から入れる。
PBP当日の朝にドロップバックを持っていった時の写真。この時おおよそ8時。まだ開いてないインフォメーション前に2,3人がいたくらい。
宮殿の正面から入ると、宮殿の1階をメインに回るコース。確かに豪華ではあるものの、色使いも白を基調に落ち着いていて、目を見張る程派手な訳でもない。とくに、天井には装飾がなくて地味。正面入口ではあるが、こちらは前奏みたいなもの。
宮殿に向かって右の入り口が宮殿の本番。始めに、マリー・アントワネットとルイ16世が挙式した礼拝堂。
赤を基調に、金色を散りばめた派手な色使いになってくる。天井辺りの装飾も手が込んだもので、綺麗にライトアップされている。今だからできる見せ方。当時は電球などなかったはずなので、天井はもっと薄暗かったと思う。
鏡の回廊。ため息が出るような空間。写真で見ると人がたくさんいて邪魔なように見えるが、現地では気分が盛り上がって目に入らない。
王様の寝室。金ピカで派手。よくこんなところで寝られたもんだと思う。
庭園。ものすごく広い。隈なく回ったら1日あっても足りない。レンタルサイクルやプチトラムなどを使って回るのが利口。徒歩で回った私は利口ではない。
PBPの車検の後に、パリ市内に戻る途中でヴェルサイユ宮殿に寄り道し、庭園の奥まで入ってみて撮影。ここまで来るのはよほど暇な人。ジョギングしてる人もいた。実はもう少し奥まで行けるが、ロードバイクで入りづらい道だったので断念した。
ヴェルサイユ宮殿には無かったドレスや装飾品の展示があった。もし私が女性だったら、こんなドレスを着てみたいと思うのだろう。
こちらも、ヴェルサイユ宮殿の離宮。プチ(小)・トリアノン。マリー・アントワネットお気に入りとのことで、人の入りはこちらの方が多い。
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