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SR600Fuji 旅情編 後編

  • Posted by: rp-taki
  • 2013年6月27日 00:00
  • Road


SR600Fuji 旅情編その2は後半300Kmの上田からゴールまで。

■5/24(土) SR600 2日目
1) 上田の宿〜PC6
6時頃起床。まず昨夜洗濯したグローブ等が乾いているかどうかチェックしたところ、やはりまだ湿っていた。そこでコインランドリーの乾燥機にかけようと行ってみると、こんな朝から使用中。ランドリーは複数階に設置されており、幸いにも別の階のやつが空いていたのでそちらを使用。

朝食は6:45から。シャワーを浴びて出立の準備をしながら時を待って、6:40分前に食堂の前で待機。扉が開いたのは私の時計で6:45を回ってからで、割と時間にルーズ。数分の差でタイムオーバーになったら呪うぞ。ルートインの朝食はバイキング形式なので食べ放題。ここから美ヶ原のPC6まで補給なしで行くつもり。スタート時間を前日7:00に設定したのは、ここでたらふく食べるためである。ブルベ的には明るくなる直前の4:30位にチェックアウトして、日が高くなる前に距離を稼ぐのが良いのだが、その有利さと朝食を天秤にかけて朝食をとった。そこまでして食べたいクオリティなのかと言われるとそうでもないが、同じ金額払って朝食をスキップするのはもったいない。昨日、スタート時刻証明を購入品が手に入るコンビニレシートではなく購入代金をロストする入場券にしたのと行動が矛盾するが、そんな昔のことはもう覚えてはいない。なお、この日の朝のレストランはかなり混雑していた。ランドリーにしても朝食にしても、土曜チェックアウトにしては意外と上田のルートインは混んでいた。上田ってそこまでメジャーな観光地だったかな?少なくとも本屋の旅行ガイドコーナーで上田の文字は見たことないのだが。朝食後、乾燥を終えたウェアを回収して部屋に戻る。

朝食を済ませてしまえばあとは再スタートするだけ。もし前日の疲れが残っていたら朝食後にすこし休むつもりだったが、結構寝られたためか、それほど疲れはなかった。そこで、そのまま急いで再スタートの準備。と言っても、朝食前にひと通りの準備は済ませているので、やることといえばギリギリまで行なっていた充電グッズを回収することくらいである。朝食では納豆ごはんを二杯食べたので、朝食前に磨いた歯を再び磨く。走行中に再び磨きたくなるシーンを想定し、備え付けの歯磨き用品をもらっておいた。準備が終わったら、ドロップバックを再梱包してホテルのフロントから返送。ウェアを汚れたままで梱包して放置してしまうのが気にかかるが、ここで返送した荷物は、ゴールした日の夜に受け取ることができた。再スタートしたのは7:45分あたり。計画の8:00再スタートに対して15分ほど前倒しで再スタートすることができた。


PC6の信濃国分寺に到着(7:52 295.5km/24時間52分)。ホテルから数Kmなので何事も無く到着。早朝のためか国道18号の交通量は少なかった。なお、ルートインから南下してすぐすき家とガストあり(ともに24時間営業)。仮眠用にホテルを取らない場合はそこを仮眠場所にしても良いかもしれない。

2) PC6〜PC7
PC6から先、武石口の交差点で国道152号から折れるとすぐに山岳コースっぽくなる。ここで市街地とはお別れで、この先はずっと山岳・高原ライドが続く。次に市街地と言えるような街が来るのは150Km先の韮崎あたりになる。上り始めは緩やかでさほど苦はない。が、この日の昼間は快晴で陽射しが強く、標高1000mでも暑い。かなりの汗をかくので上りのペースはゆっくり。コースが真っ直ぐで、上りは長々と続いているのが見えて辛い。左折ポイントである武石観光センターに自販機とトイレがあったので、ここでいったんコーラ休憩。武石観光センターから先は民家もなくなり、完全に峠道に入った。いきなり勾配がきつくなり、ここから先はピークまで我慢の区間が続く。こういう時、景色が良ければ救われるのだが、しばらくは沿道の木しか見えない峠道。車通りがほとんどないのが救いといえば救いだったか。そして、まだ季節も早いので、こういう上りでいつも煩わされるブヨがいなかったのも救い。1700mあたりまで上ってようやく、あたりが多少ひらけて気分が良くなってきた。


PC7の直前は勾配が緩み、沿道の雰囲気も涼しげになって気持が良い。11時には遠くで鐘が鳴っていた。アモーレの鐘か?


PC7の道の駅美ヶ原高原美術館(に続く道路の看板前)到着(11:19 332.5km/28時間19分)。計画した後半のペース(300Km/27時間)に対して、ほぼオンタイムで到着することができた。

3) PC7〜PC8
この先、白樺湖までコンビニがない。たらふく食べた朝食もここまでの上りで消化しているはずなので、美ヶ原高原美術館に併設されているレストランで食事をすることにした。美ヶ原高原美術館までは、PC7からルートを300m程ほど逸れる。食べたのは醤油ラーメンとソフトクリーム、および、携帯したアミノバイタルと塩のタブレット。アイスの類は、お腹へのダメージが気になるので、暑くても食べないようにしてきたが、ここが唯一の例外。逃して後悔するほどのものではないが、後半になって精神的にもゆとりが生まれたのか、ちょっとばかりの観光気分で食べてしまった。観光気分ついでに、レストランの展望テラスで景色を眺めて気分をリフレッシュ。ソフトクリームを食べながらテラスで休憩していたら、冷えた風が汗で濡れたウェアにあたって肌寒かった。結局ここでトータル30分ちょっと休憩してしまい、おそらく計画に対してマイナスになっていただろう。再スタートとほぼ同時に12時の鐘が鳴っていた。


レストランの展望テラスから。


PC7を出た直後は周囲360°に遮蔽物がなく気分爽快。目の前に見えるは王ヶ頭にあるアンテナ。あの辺りの道はダートで、以前に行った時は霧の中数キロ押し歩いた。以降の写真は中心部に濁りあり。どうやら、レストランでの休憩中にカメラのレンズが汚れてしまったか。


ビーナスラインの下りが始まると美ヶ原高原ともお別れ。一旦1600m前後まで下った後、そこから先はPC8までずっと、上っては下りての繰り返しになる。まず霧ヶ峰までそれが続き、そこから白樺湖まで下り、最後にスズラン峠を越えてPC8。この区間、先に書いたように白樺湖畔までコンビニは無かったが、ドライブイン的な食堂がいくつかあった。扉峠、三峰大展望台、八島ヶ原湿原、霧ヶ峰あたり。わざわざルートを外れて美ヶ原高原美術館まで行かずとも、そちらで補給すればタイムロスはより小さく抑えらた気がする。扉峠からしばしの間は、岐阜から(車で)来たというライダーと並走した。その人はブルベについては知っている様子。雑誌など各メディアの情報発信によって、ブルベの認知度が上がってきていることを感じた。が、私が今トライしているSR600について説明したら驚いていたので、このカテゴリが認知されるのはもう少し先か。この写真の先に見えるのが三峰大展望台。この辺で、その人が写真をとっている間に差が開き、そのまま自然に別れた。


八島ヶ原湿原を過ぎると目の前に高原の景色が広がる。下りの勾配は緩やかで、周りの景色を十分に堪能できる。その幸せは霧ヶ峰スキー場との分岐までで一旦終了。


県道40号に乗ると再びゆるゆると上り。これから向かう道路が右手の谷の先にが見える。つまり、そこまでグルっと谷沿いの上りを大回りすることが予想され、気分が萎える。その大回りをクリアすると白樺湖まで下り。スピードが乗るので慎重に。

補給ポイントのローソン白樺湖蓼科店に到着(14:06 371.3km/31時間06分)。PC7で長時間休憩しているため、PC7からの区間距離40Km弱で2時間47分。ここでの補給は以下。
・豚カルビ弁当
・野菜ジュース
・牛乳プリン
・ウィダーインゼリー
・ポカリスエット900ml
美ヶ原高原美術館のレストランでラーメンを食べたが、ここでまたお弁当を食べて多めの補給。と言うのも、PC7以降のアップダウンで結構エネルギーを消費したはずだし、この先にスズラン峠と麦草峠が控えているため。この区間も暑かったが、アイスは自重した。

白樺湖のローソンからPC8までは、再びきつい上りでスズラン峠越え。まず、ローソンから白樺湖の交差点まで200mほど激坂。脚の疲労による辛さを初めて感じたのはここだった。そして、白樺湖の交差点を折れてまた上り。真っ直ぐな登りで今度は精神的に堪えた。白樺湖のローソンからスズラン峠までの距離は僅か5km程度であるが、かなりキツかった。スズラン峠を越えると下って直ぐPC8。事前に鹿出没注意の情報があったが、幸いにも遭遇せず。


PC8の女の神展望台到着(15:04 378.4k/32時間04分)。2回の大休憩により、PC7〜PC8は46Km/3時間45分。アップダウンを除けば、景色が良くて車の少ない最高のセクションだった。


女の神展望台からの景色も最高。

4) PC8〜PC9
スズラン峠から蓼科まで一気に下った後メルヘン街道に入って、標高的にSR600Fujiで最後の山場と言える、麦草峠までの上り。今回のSR600Fujiをランドヌール部門で完走できたら、次はツーリスト部門にて2泊3日の走行を計画しているので、蓼科あたりを走りながら宿泊できそうなところを探してみたが、ペンションばかりで宿はなし。2泊3日プランの二日目の宿は、1.白樺湖近辺に宿をとるか、2.麦草峠を越えて野辺山・清里あたりに泊まるか、3.甲府まで下りる、のいずれかのプランになりそうだ。

麦草峠までの上りは、距離が15Km弱と距離は長いものの、勾配がそれほどないので辛くはない。また、曇りがちになって陽射しが弱まり、暑さが和らいだため楽になった。白い雲に混じって灰色の雲がちらほら見えたので、雨の不安を感じて早めに峠を越えようとペースを上げた。麦草峠までの上りでは鹿の群れを多数目撃。ここ最近、ブルベ中の動物トラブルを多く聞いていたので、念のためバイクに熊除けの鈴を付けておいた。その音を聞きつけるのか、沿道の鹿の群れはガサガサと逃げていった。麦草峠の手前に公衆トイレがあったで、トイレ休憩するとともに、この先の下りに向けて、ウインドブレーカー着用。


PC9のメルヘン街道最高地点到着(16:59 400.5km/33時間59分)。沿道の鹿がメルヘンだったか。

5) PC9〜PC10
PC9からは距離20Kmで一気に標高1000m下る。そこそこ道路幅があって路面もそれなりにスムーズなので、タイムを稼げるボーナス区間。獣に注意しつつできる限り飛ばした。幸い獣には遭遇せず。ただ、ほとんど陽射しがなくて少々冷えた。

国道141号に出ると野辺山までゆるゆると上り。上りの勾配は緩いのだが、向かい風がきつくて負荷がかかった。暑くなったので、沿道のスペースを見つけてウインドブレーカーを脱ぐ。そのついでにあんパン補給。国道141号に出てから交通量が増えて、そちらにも注意力を割く必要が出てきた。標高100m程のつづら折りを登り切ると野辺山高原に出た。勾配が更に緩むが、吹きっ晒しで向かい風が増したため、負荷的には楽にならず。SR600なので、上りのキツさは織り込みずみでありストレスにはならない。ところが向かい風は完全に想定外であり、むしろいつもよりもストレスが増幅するらしい。その悔しさもあってか、増えた交通量がいつも以上に煩わしく感じられた。野辺山駅への交差点で国道から逸れると、車のストレスからは開放された。


PC10のJR鉄道最高地点到着(18:46 436.9km/35時間46分)。国道から逸れてPC10まですぐかと思っていたが、意外と距離があった。見返してみると3Kmくらいある。気持ちがポジティブなら3Kmなんてあっという間なのだが、向かい風のためネガティブモードだった模様。JR線路沿いに出てから続くほとんど勾配がないような地味過ぎる上りもネガティブさを助長した。


JR最高地点。最高地点というからには峠の様に上って下りる見た目を期待するのだが、線路なので極端な上下はなく、ど平坦。ただの踏切にしか見えない。


踏切の向こうにJR最高地点の石碑あり。PC9〜PC10で一気に貯金が1時間以上増えたので、わざわざ踏切を渡って撮影に行くほどの心のゆとりができた。

6) PC10〜PC11
PC10からPC11はずっと下りで稼げる区間。ようやく長野が終わって山梨へ。まずは山梨に入ってすぐのセブンイレブン山梨清里店で補給(19:02 438.4km/36時間02分)。ここでの補給は以下。
・おかかおむすび
・レモンウォーター
・ホットカフェオレ
・つぶあんぱん
・もっちりあんドーナツ(補給用)
この先は下りでそれほどエネルギーを使わないので補給は少しだけ。冷えてきたのでドリンクはホットに。そして、ボトルのスポーツドリンクを空けてレモンウォーターに移し替えた。私は、スポーツドリンクを飲み飽きた時に、よくレモン系のドリンクを替りにする。補給後に防寒ウェアを着こんで再スタート。

清里から先は踏みながら下る感じのダウンヒルで、かなり走りやすかった。きついコーナーも無く、それなりに交通量があるので獣が飛び出してくる恐れも少ない。明るかったら思い切り行きたいところだが、もう暗くなってしまったので速度を抑えて慎重に下った。韮崎まで下ると久々の市街地で人心地ついた。気温も上がってちょっと暑くなってきた。防寒を解こうかどうか迷ったが、PC11までもう少しなので、そこまでこのまま負荷軽めで走っていくことにした。釜無川沿いでは向かい風がきつくなったが、ゆっくり走ると決めたので頑張らず。

そして、PC11の直前のセブンイレブン山梨三珠町店で補給(21:57 489.0km/38時間57分)。ここでの補給は以下。
・鮭のおにぎり
・練乳プリン(苺ソース)
・ウィダーインゼリー
・レモンウォーター
・缶コーヒー
この先は若彦トンネルまでの上りなので、その分を考えてエネルギー補給。ここでもドリンクの補給はレモンウォーター。少し眠気を感じてきたので、缶コーヒーでカフェインを注入した。そして、防寒ウェアを解いて再スタート。


PC11の芦川駅到着(22:11 489.7km/39時間11分)。PC10〜PC11で貯金が1時間ちょっと増えて3時間弱になった。夜だったのでこの程度の貯金増だったが、昼間ならこの区間はもっと稼げると思う。ここのPCはスポットとしては特に見どころがなかった。電車が来る気配もなかったので、早々に再スタート。

7) PC11〜若彦トンネル
PC11から若彦トンネルまで上り。上り始めは勾配も緩く、夜になって涼しくなってきたため、気持ち良く上れる。ここを上りきると、残りは道志みちで少し上るくらいなので、気持ち的にはここがクライマックス。そう思うと、昨日から上りに上った思い出が甦って来た。もう少しで長かったSR600も終わりか…なんて、静まり返った夜更けの山道を走りながら、一人感慨にふけっていた。が、そんな空気は突如として現れた黒い物体によって遮られた。

いきなり目の前で「ガガガガッ!」っと音がしたかと思うと、体長50cmくらいの獣がものすごい勢いでが左から右へと横切っていった。夜だったのでその姿をはっきりと捉えられなかったが、その大きさとシルエットと、そして、蹄と思われる足音から、おそらく猪だと思われる。あまりに一瞬の出来事だったのではじめは呆然としていたのだが、じわじわと怖くなってきた。下りで速度が出ている時ならともかく、上りなら道路脇から獣がひょっこり出てきても避けられるだろうと思っていた。実際に麦草峠の上りで多数の鹿に遭遇したが、衝突の怖さはなかった。もし仮にぶつかったとしても、猫や狸程度ならダメージは小さいだろう。その甘い考えが今の猪で吹き飛んだ。あれが真横から来たらとても避け切れないし、激突の衝撃で落車はもちろんバイクも破壊されかねない。ここまで10000m登ってきて、猪に突っ込まれてDNFなんてことになったら泣くしかない。そうなると、先ほどまで気持ちく走っていた上りが恐怖の山道に早変わり。ぐっとペースを落として五感を研ぎ澄ませて、僅かにでも音がしようものならヘルメットライトを向けて注視。ここの上りは恐ろしく長かった。

若彦トンネルへの道標から一向に現れないトンネルに苛立ちを覚えつつ上って、ちょうど日付が変わる頃、上りのピークの若彦トンネルに到着。

■5/25(日) SR600 3日目
1) 若彦トンネル〜PC12
若彦トンネルを過ぎると河口湖まで下り。トンネル内で肌寒さを感じたが、下りの標高差は僅かなので防寒せずに下った。このちょっとの油断が失敗で、僅か標高差150mの下りでお腹に違和感が発生。下った先も肌寒く、ウィンドブレーカーを着こんだ。その後、河口湖畔の平地を走っても一向に体は温まらなかった。空腹感は無かったが、おそらくエネルギーが切れていたのだと思う。とりあえず、ファミレスなどの暖かい休憩所を探しながら走るものの、深夜0時で開いている店舗がなかなか見つからない。危うく、河口湖畔のルートインに吸い込まれそうになった。富士急ハイランド前まで来てようやくバーミヤンが営業しているのを発見。2時までの営業を確認して入店。お腹の違和感があったが、ここで1300円程の物を食べる。レシートをもらい忘れたので食べたものは思い出せない。食事を終えて閉店までの一時間仮眠しようとしたが、店内にアホみたいに騒ぐ集団がいたため全く寢られず。他に客がいるのになぜ店員は注意しないのかと、それほどの狂乱。猪トラブルに続いて今度は人間トラブル。PC11〜PC12は運がなかった。

仮眠を諦めて退店して再スタートしたら、程なくガストとすき家を発見。こちらで休憩すれば良かった。再度の休憩も考えたが、先のバーミヤンで1時間以上休憩したので、ここは先に進むことにした。山中湖に向かう国道138号に出る前に、暑くなってきたので防寒ウェアを解く。予定では、PC12の前にローソン山中湖山中店で補給するつもりだったが、すでにバーミヤンで補給したのでスキップした。


PC12の長池親水公園の替りである山中諏訪明神看板前に到着(2:49 537Km位/43時間49分)。空は一面どんよりとしており富士山は見えず。若彦トンネルの前は満月が見えていたので、山中湖で月をバックに富士山のシルエットなどを期待したのだが、その願いは叶わなかった。

2) PC12〜ゴール
PC12から道志みちの上りまでは山中湖畔を走行。湖面からはうっすら蒸気が出ていた。特に温かいわけでもなかったが、湿度が高かったのかも。そんな違和感を感じながら走っていると、再び猪に遭遇。蹄の音もけたたましく目の前を横切っていった。山道ならともかく、湖畔にも現れるとは予想外。これでまた、辺りの気配を探りながらの超スロー走行に切り替え。その先の道志みちに入ってからも何度か獣を見たし、姿はなくともあちこちで獣の気配がしていた。スローペースで恐る恐る走っていたら逆に寒くなってきて、沿道のリゾートホテルラフォーレ山中湖の前で防寒ウェアを着用。そう言えば、河口湖から山中湖にかけてのホテルやペンションは、駐車場が多くの車で埋まっていた。どうやら、この週末は山中湖ロードレースだったようで、おそらくは多数の参加者が宿泊していたのだろう。こんな時間に起きている人や、あまつさえ外を歩いている人もいたが、そんな人はただの観光だろう。そう言えば、事前に山中湖ロードレースでの通行規制について教えてもらっていんだと、ここに来て思い出した。先ほどの富士吉田では、ファミレスで明るくなるまで仮眠なんて考えもしたのだが、もしそうしていたらうっかり規制されていたかもしれない。

ピークの山伏トンネル越えると後はゴールまで下り。空が白んできて夜明けは近い。昨夜はホテルで夜を明かしたので、SR600で走りながら夜明けを迎えるのはこれが最初で最後だ。ゴールまではあとほんの少しなのだが、寒くて仕方がない。その寒さは気温によるものではなく、疲れとエネルギー不足によるものと思われた。その寒さとともに、ここに来て眠気が訪れた。寒さと眠気に耐えながら、休憩できそうなところを探しつつ道志みちを下り、ようやく見つけたのが久保つり橋脇の小さなスペース。そこにトイレと自動販売機を見つけて緊急ピットイン。缶コーヒーで僅かながらのエネルギー補給とカフェイン注入。できることならちょっと横になりたかったが、そこまでのスペースはなかったので、段差に腰掛けてほんの少し瞑想した。しかし車通りが結構あってうるさく、それほど休めなかった。5分程度で休憩を諦めて再スタート。缶コーヒーのカフェインが効いたのか多少は目が覚めて、下りの走りは安定した。道志みちの下りが終わって平坦になると速度も落ち着いて怖さもなくなり、残りはフィニッシュまでクルージング。空腹を感じたが、ここで食べてしまうと眠気が増す危険性があるので、ここは我慢。道路案内には相模湖や八王子が現れ、ゴールの気配を感じた。高尾までだんだんと交通量が増す。時間的な余裕は十分あるので、残り僅かの距離をゆっくり慎重に走った。


そして、ゴールの高尾駅北口到着(6:33 603.3km/47時間33分)。ゴール時間の証明も、スタート時間証明と同様、高尾駅の入場券にした。昨日の朝のスタートから終始、慎重に慎重を重ねて走ったので、ようやくその緊張から開放された。これでSR600の完走とともに、R10000の条件を全てクリア。その達成感に満たされた。高尾駅南口のコインロッカーに預けた荷物を回収し、輪行袋にバイクを詰めて帰路についた。

ブルベで頑張るのはこれで終わり。これからはのんびり走ることにする。今後、例えばR20000とかが設定さるまでは。

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